ベトナム、東南アジアにおける経済効果で高ランキング
2021年10月08日付 VietnamPlus 紙
タイグエン省のイエンビン工業団地における有限会社サニー・オポテック・ベトナムのカメラ製造ライン
タイグエン省のイエンビン工業団地における有限会社サニー・オポテック・ベトナムのカメラ製造ライン

ベトナム、東南アジアにおける経済効果で高ランキング


ベトナムは米中貿易摩擦の恩恵を最も受けている国の1つであり、急成長を遂げている製造業もまた、ベトナムを域内における輸出強国の1つへと押し上げるのに一役買っている。



シンガポールに拠点をもつ、資産運用会社アクサ・インベストメント・マネージャーズ・アジアのウェブサイトに、ベトナムが東南アジア地域における経済効果で上位にランクインした要因を説明すると同時に、世界的且つ地域的な製造エコシステムにおいてベトナムがその優位性を拡大する展望について予測した解説記事が、先日掲載された。

記事によると、ベトナムは日増しに貿易競争力を高めており、魅力的な製造業の中心地の1つになっているという。

ベトナムが東南アジア諸国連合(ASEAN)との統合に成功したことは、貿易活動が力強く成長するための鍵となっている。

ベトナムはまた、中国、欧州連合(EU)、イギリス、日本のようなその他の経済大国との自由貿易協定にも署名しており、それによって貿易関係が発展するのに有利な環境をつくり出している。

加えて、ベトナムは近頃、米中貿易摩擦の恩恵を最も受けている国の1つでもある。急成長する製造業における競争力もまた、ベトナムを域内の輸出強国の1つへと押し上げるのに一役買っている。

過去10年間でベトナムの製造業の付加価値は最も上昇しており、インドの上昇率の2倍である。製造業の競争力は安い人件費によって裏打ちされている。経済が急速に成長しているにもかかわらず、急増する若年人口によって賃金上昇圧力は低く維持された。

さらに記事の作者によれば、ベトナムは政府の優遇政策によって、海外直接投資(FDI)を呼び込むことに大きく成功しているという。

ベトナムは2020年までに369の工業団地を有し、2005年に比べると180%増加した。世界銀行(WB)の「ビジネスのしやすさ」指数ランキングにおいて順位を上げ、10年前に比べると23位上昇して70位となった。ベトナムへのFDIの流入も、域内で最も急速に増加している。

ビジネスのしやすさのレベル・物流の質・人件費・国内総生産(GDP)の成長と、輸出やFDIの比重における変化に基づいた、競争力の各評価ポイントによると、ベトナムは域内で最も高い競争力をもつ国であると評価されている。このことが、近年の輸出シェアの目覚ましい拡大を後押ししている。

記事は、短期的には新型コロナウイルス感染症のマイナスの影響が長引いて、ベトナムの製造業と輸出に大きな影響を与え、企業の資本支出のスピードを鈍化させ、グローバルサプライチェーンの移転を妨げると予測している。

長期的には、外国企業は効果的なグローバルサプライチェーンを引き続き構築していくだろう。しかし、投資家はベトナムの相対的に高い法人税率(一部の業種に対し50%まで引き上げた)と、それに加えて外貨、言語、知的財産権(IPR)の保護の不足、会社設立への複雑な要求を警戒する可能性がある。

ベトナムがこれらの分野の改革を続けていくことは間違いないが、改革のスピードは投資家の期待に沿えない可能性がある。

記事は地政学的側面に関して、対米貿易黒字の大幅な増加も、ベトナムを不安定な情勢に陥らせると見ている。長期的には、両国間の貿易収支の不均衡化が続いた場合にアメリカの政策が再び保護主義に転換されれば、貿易摩擦が再燃する可能性を取り除くことはできない。

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( 翻訳者:鎌野天衣 )
( 記事ID:6142 )