ベトナムの自動車産業発展のため、二つのボトルネックを解決
2021年06月30日付 VietnamPlus 紙
ハイフォンにあるビンファストの自動車工場
ベトナムの自動車産業発展のため、二つのボトルネックを解決
国産車と輸入車の市場規模と価格差は、今日のベトナム自動車産業にとって2つの最大のボトルネックと課題である。
国産車と輸入車の市場需要量と価格差は、今日のベトナム自動車産業にとって2つの最大のボトルネックと課題である。
これは、ベトナム自動車産業に関する報告書における商工省の見解であり、自動車産業のこれら2つのボトルネックを解決するための将来への提案である。
商工省によると、現在、ベトナムの自動車市場規模はタイの3分の1、インドネシアの4分の1に過ぎない。多くの異なる組立工場とモデルによって細分化された小さな市場では、(製造・組立と部品の製造両方を行う)企業が大量生産の発展に投資することは非常に困難ある。
一方、近年の一人当たりGDPでは、多数の人々が自動車を所有し、国内の自動車産業を発展させて利益を生み出すことを促進するのに十分ではない。特に運行面での交通システムが脆弱であることも、自動車の利用需要を抑え込む要因となっている。
市場のボトルネックに加え、現在、国内の自動車生産のコストは他国より10〜20%高く、特に関税障壁が撤廃された状況にあっては、ASEANからの輸入完成車と比較して、国産車の製造コストには多くの不利な点がある。
主な要因は、ベトナム自動車産業の現在の市場需要量が小さいことにより、規模の経済を利用できないことによる。これにより、長年市場や自動車産業の整備をしてきたASEAN各国よりもコストを押し上げることとなった。
また、自動車の生産・組立用部品やスペアパーツのほとんどは海外からの輸入であり、梱包や輸送、保管、保険等の追加費用が発生し、国内生産・組立のコストに影響を及ぼしている。
上記のボトルネックを克服するため、商工省は関係省庁や機関と協力し、いくつかの解決策を提案している。市場拡大の解決策について、商工省は、特にハノイやホーチミンなどの大都市で、自動車を利用する人々の需要を満たすためのインフラ・システムの計画と開発を提案した。
さらに、透明性のある健全な発展を確保するための合理的な措置を講じ、技術的な障壁を通じて国内の自動車市場を保護し、商業詐欺を撲滅する。同時に、製品の品質管理の観点から輸入車と国産車の平等な競争を確保する。
加えて、国産車購入での優遇ローンなど、市場拡大のための他の多くの解決策を検討している。自動車の生産と消費の促進するために、バリューチェーン全体で自動車に関連する税金と手数料を見直し、国内の自動車市場の健全な発展に寄与する。
国産車と輸入車の生産コストの差に関わる問題の解決策について、商工省は、国内での自動車組立のコスト削減のための政令で規定されている、自動車生産・組立用の部品やスペアパーツの輸入に関する優遇税率プログラムと自動車製造・組立用の工業製品の原材料輸入に関する優遇税率プログラムを維持し、効果的に実施することを提案した。
それに伴い、企業が国内での生産量と付加価値を高めることにつながる自動車の特別消費税に関して、優遇政策を適用する方向で、各規定の改正と補充を検討している。
ベトナム自動車工業会(以下、VAMA)によると、2020年の加盟企業の総販売台数は、前年比8%減の296,634台であった。
2021年の最初の5か月で、前月比で127%増の30,935台を販売して、最も販売が多い月となった3月を除き、残りの月はすべて3〜45%減少した。
具体的には、1月の市場全体の販売台数は前月比45%減の26,432台、2月は22%減の13,585台、4月は3%減の30,065台、5月は15%減の15,585台であった。
以前、政府は2020年5月31日までに国内で製造された自動車と組立車の登録料を50%削減する政令を施行した。その結果、自動車価格は1,500万〜3億ドン近く下がり、COVID-19のパンデミックによる長い不況を抜けて自動車市場は回復した。
これに続いて、VAMAは財政省に、COVID-19のパンデミックの状況で自動車市場の困難を取り除くため、自動車の新規登録料を50%削減することを検討するよう提案した。しかし、財政省はすでに税金の繰延や減税、徴収延長に関する多くの政策を政府に提出しているため、自動車の新規登録料を50%削減するとの要請は、現状では適切ではないと述べた。同時に、VAMAに加盟している企業は現在の登録料の規定に準拠するよう勧告した。
今後、財政省は国内の自動車製造企業と組立企業のデータと生産状況、COVID-19のパンデミックの動向と影響を更新し、関係省庁と調整して、国内の自動車産業の発展を促進するための適切な政策を当局に報告する。
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( 翻訳者:岡部紘平 )
( 記事ID:6157 )