中国が北ナトゥナの領有権を主張、インドネシアに石油・天然ガス採掘の停止を要求
2021年12月03日付 Kompas 紙
北ナトゥナ海の位置を指し示すアリフ・ハヴァス・ウグロセノ海洋副大臣 .
北ナトゥナ海の位置を指し示すアリフ・ハヴァス・ウグロセノ海洋副大臣 .

KOMPAS.com配信

中国政府はインドネシアに対し、ナトゥナ諸島周辺海域での石油・天然ガスの採掘を停止するよう要求している。同海域について両国が領有権を主張する形となっている。

去る11月2日、インドネシアの金融・ビジネス雑誌『コンタン』は、世界経済が混乱している中で、これまでに報告されたこともないような前例のない要求によって、戦略的に重要な領域における中国・インドネシア間の緊張が高まっていると報じた。

中国の外交官はインドネシア外務省に宛てた書簡で、同領域は中国に帰属するとみなされる地域に位置するため、インドネシアに海上リグにおける採掘を一時的に停止するようはっきりと述べた。

インドネシアは、南シナ海の南端は国連海洋法条約(Unclos)に基づき自国の排他的経済水域(ZEE)であると主張する。インドネシアは2017年、同海域を北ナトゥナ海と命名した。

中国は海域名の変更に異議を唱えた。中国は南シナ海において、「九段線」と呼ばれる、9つの点線で示されるU字型の広大な海域の領有権を主張しており、争点の海路はその海域内にあると論を張った。

国連海洋法条約に基づき、インドネシアは自国の排他的経済水域と大陸棚における天然資源を探査および採掘する権限を有する。

また、国連海洋法条約73条ではインドネシアが自国の承認を得ることなく、同国の排他的経済水域で違法に漁業を行う外国船に対して国内法および規制を適用することを許可した。

インドネシア政府としては、北ナトゥナにおいて現地の漁船の存在感を高めようとする試みを続けている。 北ナトゥナにおける民間人、この場合は現地の漁業者の存在により、争点となっている海域の領有権に対するインドネシアの主張が強化されるだろう。

しかしながら、ナトゥナにおける現地の漁業者の大部分は小規模漁業者であるため、排他的経済水域において最大200海里以内を航行することは依然として課題である。

政府はまた、北ナトゥナ海における漁業の為に、より大規模な漁船をジャワから送るよう計画している。しかしながら、同計画はナトゥナの現地の漁業者との摩擦をもたらしたようだ。

中国がインドネシアによるナトゥナにおける石油・天然ガスの探査に抗議

一方で、マレーシアの主要メディア『ザ・スター』は、今回の騒動は、北京が伝統的に領有する海域の一部だと主張する地域で発生したために、中国は外交文書でインドネシアに対して石油・天然ガスの採掘を停止するよう要求したと報じた。

中国の抗議文書は調査船が南シナ海の一部を横断した数ヶ月前に送付されたもので、インドネシアはナトゥナ諸島沖の排他的経済水域の一部であると述べている。

「彼らの(中国の)主張は採掘現場が九段線に侵入しているというものだ」と、中国が南シナ海の大部分の領有を主張するために使用している海路について国民議会(DPR)のムハンマド・ファルハン議員は言及した。

「もちろんインドネシア政府は国連海洋法条約を遵守しているため(主張を)拒否している」と同議員は述べた。

インドネシアは、自国がナトゥナ諸島沖の海域における海洋権益を所有すると考えているため、南シナ海における対立の当事者だという意識は持っていない。

インドネシアの漁船と中国の漁船同士のニアミス事故は、南シナ海南部で数回発生している。

2017年、インドネシアが北ナトゥナ海地域の名称を変更したところ、同海域は伝統的に中国の漁場であると主張する同国からの反発を招いた。

インドネシア外務省のテウク・ファイザシャ報道官は、同内容についての言及を避け、外交記録は秘匿性を持つと述べた。

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( 翻訳者:加藤希 )
( 記事ID:6184 )