ムルドコ大統領首席補佐官「トリサクティ事件は非司法的手段による解決が理想」
2022年05月19日付 Kompas 紙
2021年全国広報大会におけるムルドコ大統領首席補佐官
2021年全国広報大会におけるムルドコ大統領首席補佐官

ムルドコ大統領首席補佐官「トリサクティ事件は非司法的手段による解決が理想」

JAKARTA, KOMPAS.com
ムルドコ大統領首席補佐官(KSP)は、「1998年のトリサクティ事件(スハルト体制への抗議運動に参加した学生4人が治安部隊に銃殺された事件)は過去の重大な人権侵害の一例であり、非司法的な仕組みによって解決するのが理想だ」と述べた。この事件は、真実和解委員会(KKR)によって解決される。
インドネシア大統領府による去る5月18日の発表によれば、ムルドコ大統領首席補佐官はトリサクティ大学の学生を迎えた際、「1998年のトリサクティ事件は過去の人権侵害の一例であり、非司法的な仕組みによって解決するのが理想的だ」と述べたという。
政府は過去の人権侵害を依然優先事項として捉えており、静観はしないと同補佐官は説明した。
政府は司法的にも非司法的にも、重度の人権侵害の疑いのある事件を解決する努力を続けている。「司法的な解決は、重度の人権侵害の疑いがある新たな事例(人権裁判に関する2000年法令第26号施行後に発生したもの)に用いられることになっている」と同補佐官は述べた。
「一方、過去(2000年11月以前)の重度の人権侵害の疑いのある事例は、真実和解委員会 (KKR) などの非司法的なアプローチによる解決が優先される」と説明した。

ムルドコ大統領首席補佐官によると、人権裁判に関する2000年法令第26号は、もっぱら裁判所による過去の重度の人権侵害の解決を可能にした。しかし、もちろん国民議会の政治的な決定を待たなくてはならない。
「国民議会は、法律の遡及的適用が可能かどうか決定できる。そのため、政府は国民議会の政治的立場を待っている」と同補佐官は述べた。


トリサクティ大学の学生の代表に対して、ムルドコ大統領首席補佐官は、裁判はまだ開くことができないが、犠牲者が国からの援助と回復を受けられるよう政府は依然努めていくと述べた。
「その一環として、去る5月12日に国有企業がトリサクティ事件の遺族4世帯に対して住宅の支援を行った。これは遺族に対して国が積極的に関与しようとする姿勢の表れである」と同補佐官は強調した。

また、この機会に「政府は政治・法務・治安担当調整省を通して真実和解委員会による非司法的施策の草案を完成させ、パニアイ県の人権裁判所の稼働を確認している」と同補佐官は加えて述べた。
「このアプローチにより、我々はトリサクティ事件やスマンギ事件(学生デモの参加者が銃殺された1998年11月、1999年9月の事件)、ジャカルタ5月暴動(トリサクティ事件をきっかけに発生した暴動)などの事件が共に解決できる」と付け加えた。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:髙橋翼 )
( 記事ID:6348 )