首相によるマクロ経済の安定とインフレ抑制に関する会合が開催
2022年07月30日付 VietnamPlus 紙
【写真①】ファム・ミン・チン首相が会合での結論を述べた(写真:ズオン・ザン/国営ベトナム通信社)
首相によるマクロ経済の安定とインフレ抑制に関する会合が開催
首相は、インフレ抑制に向け、財政政策およびその他政策と緊密に連携して足並みをそろえつつ、慎重に、主体的に、柔軟に、適時に、効果的に金融政策を実施するよう明言した。
7月30日午後、首相府において、ファム・ミン・チン首相は各省庁・中央機関・専門家・有識者・在ベトナム国際機関からの代表らと会合を行い、マクロ経済の安定維持、インフレ抑制、大規模な各財政収支のバランス確保、急速な経済回復の推進、持続的発展の各問題について議論を行った。会合には、レ・ミン・カイ副首相が同席した。
計画投資省の報告によれば、世界情勢、地域情勢は非常に急速に変動しており、ベトナムを含む世界各国の社会経済に深刻かつ全般的な影響を与えている。
世界経済成長予測は連続して減少させる方向へと調整がなされた。最近、IMFが世界経済成長予測を再度下方修正しており、世界経済の見通しに関する最新版の中で、IMFは、世界の実質GDPが4月に示された予測値である3.6%から、2022年には3.2%へと下落すると指摘した。
世界銀行(WB)は、6月に世界のGDP成長率予測が本年1月に示された4.1%から、2.9%へと減少した。成長率予測の縮減は、エネルギー価格と食糧価格の上昇、供給源と貿易に対するウクライナ紛争の影響、インフレ引き締めのための政策金利の上昇によるものである。
IMFからの代表であるハー・ティ・キム・ガー・シニア経済アナリストは、ベトナムではインフレ抑制が上首尾に行われているとして高く評価する一方で、世界情勢の複雑な変動とエネルギー価格の上昇によるインフレリスクに警戒する必要があると述べた。
ガー氏は、ベトナム経済は非常に力強く幅広い分野で回復しており、ワクチン接種によってベトナムが各活動を再開に寄与したことは顕著な成果であると高く評価した。ベトナムは各種のマクロ政策を展開するための外貨準備も十分に保有している。IMFは、2022年のベトナムのGDP成長率予測を、これまでの7%以上から6%へと調整すると同時に、2022年のベトナムのインフレ見通しは現状維持と示した。
感染症の拡大を抑え込むため往来制限を行い、生産とサプライチェーンを遮断せざるを得なかった。また、各国政府は感染症の流行による失業と倒産に歯止めをかけるため、緊急の財政出動を行わねばならなかった。感染症が未だ収束しない中で、ロシアとウクライナの紛争が勃発し、紛争状態は一層深刻に陥った。ロシアの石油ガスを対象とした西側による制裁は、グローバルな供給源をさらに圧迫して、エネルギー価格を急騰させた。
2020年から現在までの国内では、非常に多くの困難や試練に直面せざるを得なかった。こうした状況にあって、政府、各省庁、部門、地方は決然として、足並みをそろえて、効果的に党中央、党政治局、党書記局、国会、政府の決議、結論、指導を展開している。同時に、特に急速で複雑な予測不可能な世界と地域の変動など、実際の状況をしっかりとフォローして、マクロ経済の安定、インフレ抑制、大規模な収支バランスの確保との優先目標に見合った形で、柔軟な解決策を示しこれを決然と履行して、経済回復を進め各分野・部門および経済全体の成長を推進している。
そのおかげで、ベトナムは基本的に合理的な経済成長スピードを維持できている。とりわけ2022年上半期のGDP成長率は、年初に示された当初予測の5.1%~5.7%よりもさらに高く、同期比6.42%となることが見込まれている。また、マクロ経済の安定が維持でき、インフレ抑制が上首尾に行われ、大規模な収支バランスも確保できている。
ヴォー・チー・タイン専門家、チャン・ディン・ティエン専門家、グエン・ディン・クン専門家は、政府の全般的な見方に賛成したうえで、狭義においては、経済の回復と発展計画の展開にあたり金融政策よりも財政政策の活用を優先すべきであり、財政政策の活用に際しては金利を補助するため400兆ドンを活用するなど、金融政策からの支援を得るべきであると述べた。
インフレ抑制、マクロ経済の安定
会合において、チン首相は、決して主観的にならず国際情勢、国内情勢の変動をしっかりと把握し、分析と予測の能力を強化して、運営指導にあたり規律を正し処分を行い、インフレ抑制、マクロ経済の安定、大規模な収支バランスを確保すべく、各種の政策ツールを主体的かつ柔軟に活用し、緊密かつ足並みをそろえて協力して、急速な経済回復と持続的な発展に貢献するとの点を強調した。このことは、緊急性を帯びつつ戦略性を兼ね備えた優先事項であり、2022年の残りの期間と以降の各年における重要かつ常時の任務でもある。
チン首相は、「これらのことを成したいならば、我々は▽独立、主権、統一、領土保全の盤石な防衛、▽政治の安定の揺るぎない維持、▽社会秩序、治安、安全、国民の安心の確保、▽独立、自主、多様化、多角化、良き友人かつ信頼足るパートナーであり、国際社会の責任ある一員であるとする外交路線の実現、▽実質的に効果的に国際統合を進化させるよう、主体的かつ積極的に独立・自主の経済建設と結び付けて一層邁進していかなければならない」と強調した。
重要な各任務や対策に関して、チン首相は、インフレ抑制、マクロ経済の安定、経済回復の推進と生産活動の発展のため、財政政策とその他政策と緊密に足並みをそろえて連携して、慎重に、主体的に、柔軟に、適時に、効果的に金融政策を実施することを言明した。効果を担保したうえで、引き続き合理的に財政政策を拡大して、歳入の増加、歳出の抑制、各政策ツールの適切な調整を図っていき、総需要を支え、経済回復を進め、社会経済を発展させながら、インフレ抑制、マクロ経済の安定、国家財政の安定確保に貢献する。
主体的、慎重さ、柔軟さ、創造性、平静さ、効果的、状況把握、国情との整合についての原則を強調し、チン首相は次の例を挙げた。「インフレの主な要因は支出によるものであるから、金融政策はより一層慎重に、主体的に、柔軟に、適時に、効果的に行わねばならない。仮に世界市場が縮小した場合、税金、手数料、公共投資などの各財政ツールを適切に活用して、国内市場の拡大を図らなければならない。重点的に焦点を当てる必要のあるものとして、公共投資の問題が挙げられる。また、社会保障を拡大する問題もある。目下解決すべき問題として価格の問題がある。長期的な課題として人材、戦略的インフラなどの問題がある」。
それとともに、とりわけ、石油・ガソリン・食糧・食品を含む生産や生活に必要不可欠な戦略的品目、および将来的には新学期関連の品門やサービスなどに対する市場、価格の管理、監査、監督を強化し、できる限り柔軟な調整を行う。また、密輸や経済詐欺の防止を強化する。
チン首相はまた、社会文化の各分野の発展、特に弱者をはじめとする国民の社会保障や生活の確保をより重視し、文化とは社会の精神的基盤であり、内在の力であり、国土発展と祖国防衛の原動力であると確定し、独立と主権を揺るぎなく防衛すべく国防・安全保障を強化する必要があると強調した。汚職・消極性の防止を強力に進め、客観的、透明性を以て、忠実に、適時に広報・普及を強化し、鼓舞・激励を広く伝え、社会の信頼を作り出す。
チン首相は、政府としては常に架け橋となって、各専門家、有識者、国際機関から示される意見に引き続き耳を傾けていきたいと強調した。
チン首相は、計画投資省に対し、これらの意見を迅速に取りまとめ、鋭意検討し、取り入れたうえで、報告書・資料として完成させて、規定に従って政府と管轄機関に提出するよう委ねた。
【写真①】ファム・ミン・チン首相が会合での結論を述べた(写真:ズオン・ザン/国営ベトナム通信社)
【写真②】(写真:ズオン・ザン/国営ベトナム通信社)
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( 翻訳者:メディア翻訳ベトナム語班 )
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