「ジョコウィ」が大統領演説で大統領候補に言及、「パク・ルラ(村長さん)」からマラソンまで
2023年08月18日付 Kompas 紙
去る8月16日、2024年の予算法案について演説を行うジョコ大統領
去る8月16日、2024年の予算法案について演説を行うジョコ大統領

ジャカルタ、kompas.com配信
2023年の国民協議会(MPR)をジョコ・ウィドド大統領(通称ジョコウィ)は2024年の大統領選を控えた政治的動向を取り上げる機会とした。
ジョコ大統領は州演説の中で、自分に向けられた「パク・ルラ(村長さん)」の称号から将来の大統領への期待まで、大統領候補指名に関する様々なことに言及した。

ジョコ大統領は、演説冒頭で2024年の選挙を控え、ホットな話題となっているという政治のダイナミズムにすぐさま言及した。そして、各政党が指名する大統領候補と副大統領候補について尋ねられるたびに「パク・ルラ」からの指示を待っているところだと言う政治家の発言に驚きを表した。「現在、すでに政治の年に入り、状況は徐々に熱を帯びており、政治家や政党の間では、大統領候補や副大統領候補について質問される度、「まだパク・ルラからの指示がない」という答えが返ってくるとジョコ大統領は語った。


ジョコ大統領は、それぞれが指名する正副大統領候補を決定するのに、なぜ政党が「パク・ルラ」の指示を待つ必要があるのか不思議に思っていたことを認めた。
しかし、ついにジョコ大統領は、「パク・ルラ」が自分に付けられたあだ名だということを自覚した。「後で分かったことだが、パク・ルラ私のことだった。ええ、私はルラではなく、インドネシア共和国の大統領だとも答えた。パク・ルラは隠語である」と語った。さらにジョコ大統領は、政党による大統領候補と副大統領候補の決定には干渉しないと言明した。

これは政党および政党連合の権限であり、政党の総議長や政党連合の議長ではないからである。 「強調するが、それは私の権限ではかい。繰り返すが「パク・ルラ」の権限ではない」とジョコ大統領は述べた。

「言い訳」にされる宿命
ジョコ大統領は、大統領及び副大統領指名への介入を否定した後、これらに無理やり紐づけられるのは大統領である彼の宿命だと述べた。ジョコ大統領は「ジャワ語でいうところの『特許』として利用され、アリバイとして利用され、盾として利用されることが大統領の宿命だと私は理解している」と述べた。かつてはスラカルタ(ソロ)の市長を務めていた同大統領はさらに、選挙運動開始以前から様々な場所に彼の写真が掲示されていたことに言及した。 「ありのままに話そう。私はA州に行っては写真を見つけ、B市に行っては見つけ、C地区にも行き、村の一角でも見つけた」と話した。

ジョコ大統領は、張り付けられた写真は1人の写真ではなく、大統領候補として立候補すると期待されている人物も写っていたと述べた。にもかかわらず、同大統領は自身を「騙る」その写真に関して何気ない反応をしただけだった。「しかし、それは私一人の写真ではない。彼の隣には大統領候補がいる。はい、私は大丈夫、気にしていない」と大統領は述べた。

マラソンついて
ジョコ大統領は演説の中で、プログラムの成果と過去9年間の自身の政権下での成果についても多く語った。そして、将来のリーダーシップがインドネシアの将来を決定する重要な要素であると強調した。「大切なのは誰が次期大統領になるかではない。そうではない。できるかどうかにかかわらず、今すでに始まっていることに従って適切に働くことができるかどうかということだ」と大統領は話した。ジョコ大統領は、インドネシアの将来は次期指導者がこれまでやってきたことを継続する勇気と一貫性にかかっていると述べた。そのために必要なのは長く呼吸を保つことだ。われわれは午後の散歩をしているのではあいのだから。また、私たちは短距離走をしているわけではなく、私たちがすべきことはインドネシアの金メダルを目指してマラソンを走ることなのだ」と大統領は述べた。

元ジャカルタ州知事でもある大統領は、これからの挑戦は容易ではなく政策を決定することはさらに困難であると述べた。ジョコ大統領は、リーダーにはたとえそれが困難で支持の得られない決断でも下すだけの勇気と信頼が必要だとした。そして、「だからこそ、リーダーは公的な信頼を得なければならない。信頼は政策が実行されるか否か、決断が下されることになるか否かを決定するファクターであるからだ」と述べた。

その意味は何だろうか。アルゴリズム社の執行取締役、アディティア・ペルダナ氏は、昨日の演説におけるジョコウィの発言の裏には意味があると考えている。アディティヤによると、ジョコ大統領の 「パク・ルラ」に関する発言は、2024年の大統領選挙の候補者に関する権限はないと捉えることが出来るという。しかし一方で、アディティヤは、ジョコ大統領の「マラソン」という発言から、ジョコ大統領は将来の政治的リーダーシップに対する希望と願望を伝えたとも考えている。
「この2つのことは非公式な政治に関連しているようで、ジョコ大統領は時期の政治的リーダーに自身の希望を託すうえで重要と思われる措置をとるのだろう」とアディティヤは語る。インドネシア大学政治学部の講師である同氏は、大統領の政治的支持はエリートや国民に強い影響力を持っていることを示す発言だと評価した。国民の信頼の重要性を訴えるジョコ大統領の発言には、国家元首から将来の後継者へのメッセージも込められているとアディティヤは続けた。「私の推測では、ジョコ大統領が10年間在位中に行ったように、国民の信頼を維持する必要があるという、後に戦う大統領候補者へのメッセージだと考える」と語った。

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