軍指導者の娘が製作した映画がアカデミー賞で優位に
2024年01月18日付 その他-ミャンマーナウ紙 紙
アカデミー賞ノミネートリスト入りした軍プロパガンダ映画「レッドブランケット」
アカデミー賞ノミネートリスト入りした軍プロパガンダ映画「レッドブランケット」

ネーピードーで開催される映画アカデミー賞授賞式に軍指導者自ら出席し、最も厳重な警備体制で開催するよう、軍評議会が準備を行っている。

マウン・シュエワー 
++++++++++++++++++

2月3日にネーピードーで開催される映画アカデミー賞授賞式に、軍指導者ミンアウンフライン上級大将自ら出席し、最も厳重な警備体制で開催するよう、軍評議会が準備を行っている。

軍評議会の下で2回目となるアカデミー賞授賞式のためのノミネート リストで、 軍指導者の娘が製作した映画と、カチン独立軍KIAを残忍に描いた軍事プロパガンダ映画「レッドブランケット」が優位を占めている。

この式典に主に関与している団体は、継続的に軍高官たちと取引を行っているフォーエバーグループである。

軍指導者の娘の映画を公開するアカデミー賞授賞式用のトロフィーについている金の星と、受賞者に贈られる金のブローチにかかる費用を国家予算から捻出するということも軍評議会が発表している。

2月1日から4日までどのような撮影も行わないよう軍評議会が指令を出していることは、軍評議会の支配下で開催する式典に向けた集客のための努力の一つである。

ドローンの危険性 による式典会場変更

過去において、軍評議会は2019年から2022年までの3年間アカデミー賞授賞式を、ネーピードー市庁舎の近くにある野外劇場で開催したが、今年は治安面でより安全な場所を選んだ。

軍指導者が出席するアカデミー賞授賞式はネーピードーにあるMICC-1と呼ばれる屋内ホールで行われるので、戦闘の最前線で軍評議会の部隊が苦戦してきたドローン攻撃のような危険とはある程度距離を置くことが可能であろう。

出席者の数も軍評議会は制限している。

招待客も、自身の詳細な個人情報を軍評議会に提出しなければならない。

軍指導者の娘が製作した映画

アカデミー賞授賞式は、クーデターを起こした軍高官たちの下で国が安定して平和であることを示す必要があることに加え、軍指導者の家族のビジネスにも関係している。

アカデミー賞のノミネートリストに入った映画12本には、軍指導者の娘の所有する映画製作会社が撮影した映画が3分の1含まれている。「アチェインルンモー」「Fourth Capillary」「Once upon a time in Yangon」「The Lucky」 などの作品である。

軍指導者の娘であるドー・キンティリテッムンは7th Senseという映画制作会社を2017年に設立し、父親の資金と政治的権力のおかげで短期間のうちに成功を手に入れた。

クーデター後、ドー・キンティリテッムンの7th Sense映画制作会社に対し、軍指導者の家族が所有するほかの5つのビジネスと共に、アメリカ財務省が制裁を加えることを2021年3月10日に発表した。

この発表の後、7th Senseは撮影した映画を、制作会社の名前を変更して製作した。V7 Entertainment, W Entertainment, M Entertainment Channel, ミーミーフムェ、 SM Winner, ソウンフマッ、 Hey Playなどの新しい製作会社名を使用していると、海外に出ていった映画業界の一部の人々によってわかった。

ノミネートされた4本の映画は7th Senseが撮影し、名前を変更して制作された。

2019年に撮影された「Fourth Capillary」という映画の製作興行成功祈願式では7th Senseという名前を使用したが、公開時には映画制作会社を「ソウンフマッ」という名前に変更した。その映画を7th Sense会社役員であるコー・ウェーミンマウン、別名シュエマンが製作総指揮として責任を負って撮影した。

同様に、映画「アチェインルンモー」も2019年に「チャノイェトゥー」という作品名で軍指導者の娘の制作会社が撮影し、その後製作をSM Winner Entertainmentに代えて公開した。

SM Winner Entertainment社は、作品名を変更したその映画を公開する約6か月前に姿を現した。2023年3月10日、ミャンマー投資企業管理局(DICA) に登録されたことがわかる。

2023年11月に公開された「The Lucky」という名前の映画も、軍指導者の娘の関係者らが製作した映画だ。

その映画の監督であるウィンルィンテッ、脚本家モーニールィンは、7th Sence社と共に仕事を行っている。その映画の撮影責任者イェミントゥーも7th Senceの事業の一部であるHey Playの社員であると、ピープルズスプリング情報局が書いている。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:H.N )
( 記事ID:6837 )