通信・情報技術大臣、インドネシアにおいてマーケットプレイスアプリ・Temuを禁止
2024年09月05日付 Kompas 紙



ジャカルタ、kompas.com
ブディ・アリー・セティアディ通信・情報技術大臣は、Temuアプリのインドネシアでの運営を禁止すると述べた。
Temuは中国発のクロスボーダー・マーケットプレイス・プラットフォームで、インドネシアではTokopedia、Shopee、Bukalapakなどのサービスに似ている。
違いは、Temuの商品は通常、工場から消費者への直販の手法を採用していることだ。
そのため、消費者は他のeコマース・プラットフォームよりも安く商品を購入することができる。
ブディ・アリー氏によると、インドネシアにおけるtemuの存在は、国内の零細・中小企業(UMKM)のエコシステムを脅かすという。というのも、海外発のテムアプリの商品は、より安い価格で販売されているからだ。
「私たちは(Temuを)禁止し続ける。このまま放置すれば、TemuはインドネシアのUMKMを破壊してしまうでしょう」とアリー氏は語ったと、去る10月3日のAntaraNewsからKompasTeknoが引用した。
同氏はインドネシアにおけるTemuの存在により中小零細企業(UMKM)が大きな損害を被ることになると述べた。
一方で、デジタル空間は中小零細企業の労働者が利益を得て、事業を拡大していく手段であるべきであると述べた。
「社会が損害を被る可能性があるために、我々はその機会を与えたくないのだ。我々の創造するデジタル空間は社会の生産性を上げるためのものであり、社会が損をするのであれば一体何のためのものなのであろうか」と同氏は付け加えた。
テテン・マスドゥキ協同組合・中小企業大臣はTikTokショップよりも危険であるとほのめかした。
同氏によると、Temuアプリケーションがインドネシアに進出した場合、中小零細企業に悪い影響をもたらすという。
そのほかに、このアプリケーションはTikTokショップよりも危険であるとも見なされている。
「これこそが私が懸念していることである、それはTIkTokよりも大きな影響を与えうる国境を超えたデジタルアプリケーションが我々の生活に浸透するおそれがあるということである。
「なぜならこれは工場と消費者を直接つなげるものであるからだ」とKompas Teknoでかねてから指摘していたのと同様に同氏は述べた。

テテン氏は、Temuアプリケーションには転売業者や傘下の業者は存在しないと続けた。
これはTikTokショップとは異なる点であり、同氏によれば、この要素がインドネシアの中小零細企業経営者にとってTemuをより脅威的な存在にしているという。
さらに、中国のメーカーは大量生産が可能な一方で、インドネシアの中小零細企業経営者の生産能力は低い。
「TikTokがまだましである。転売業者もいるしアフィリエイトもいるうえに、雇用も生まれる。もしTikTokがおなじことをするのであれば、値段が安くなるだけでなく、例えば流通などの仕事もカットされてしまうだろう」と同氏は語った。
同氏は、電子システムを介した取引における事業ライセンス、広告、指導及び監督に関する商業大臣規則2023年第31号が Temuというアプリケーションの参入に対する対策となることを期待している。
同氏によれば、商業大臣規則2023年第31号での規定が国境間取引における 100アメリカドル(約150万ルピア)未満の商品の販売を規制するとしている。
“私はただ警告をしているだけだ。なぜなら、今の中小零細企業の景況の指数が下がっているからだ。“と同氏は述べた。
協同組合省のデータによると、デジタルエコシステムにおける広い市場へのアクセス増加の可能性を考慮すると、中小零細企業のデジタル経済の価値は、2030年には4,531兆ルピアに達するとされる。
Temuの存在は、デジタル経済の空間と価値に影響を与える可能性があり、ブディ・アリーやテテン氏が危惧するとおり、将来的には中小零細企業のビジネスを妨害するかもしれない。
Temuとは何か?先述の通り、Temuは中国発の越境ECプラットフォームで、インドネシアでいうTokopediaやShopee、Bukalapakなどに似たものだ。
それらと異なるのは、Temuの商品は通常、工場から消費者へ売られていることだ。
そのため、他のECプラットフォームと比較して、消費者はより安く手に入れ、購入することができる。
そのため、政府はTemuの販売手法がインドネシアの中小企業や雇用の場に悪影響を与える可能性があると考えている。
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2022年7月にスタートしたTemuは、現在、58カ国に普及しており、本社は米国マサチューセッツ州ボストンにある。
しかし、この会社は、実際にはPDDホールディングスという中国の大企業グループが所有し、運営している。
Kompas Teknoの取材で、去る3月10日午前、TemuアプリケーションはAndroidのGoogle PlayストアやiOS Appストアを通して、インドネシアで自由にダウンロードできるようになった。

グーグルプレイストアでは、Temuは全世界で1億回以上ダウンロードされ、アプリの評価は5点満点中3.5点、レビュー総数は400万件に達している。
Temuアプリはアメリカにおける人気が非常に高いという。
それはTemuが他のeコマースよりはるかにに低価格で商品を販売しているからだ。
例えば靴は、他のアプリでは数百万ルピアするにもかかわらず、わずか141,000ルピアで販売されている。
Temuはまた、顧客に対して、次回の購入時に利用できるクレジットや無料ギフトを提供している。
さらに、Temuを宣伝した人には別途特典も用意している。
Temuはなぜこのように低価格で商品を販売することができるのか。それは一般の卸売業者を通さず、商品メーカーと直接つながるビジネスモデルであるためだ。

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( 翻訳者:平山克己 )
( 記事ID:6968 )