中国武装組織 まもなくミャンマーに駐留か
2024年12月04日付 その他 - エーヤワディー 紙
2019年から始まったチャウッピュー深海における中国政府事業
2019年から始まったチャウッピュー深海における中国政府事業

中国がミャンマーでの中国政府の事業及び中国の民間企業による事業を保護するため、ミャンマーと共同での武装警備会社(Joint Venture Security Company)の設立を提案なし、軍評議会はMOU署名実現に向けて作業委員会を設立し、調査を行っている。

作業委員会は、軍評議会内務副大臣が委員長を務め、事務次官、警察副長官、通信局副局長、防衛省軍事法務局の高級官吏1名と事件法務局の警察高官らで10月22日に発足した。

この合弁武装警備会社設立の提案は、8月にネピドーを訪れた中国の王毅(ワン・イー)外相の外遊の日程の終了後になされたものであると考えられ、外遊でミャンマー在住の中国人従業員と中国事業の安全を実際的に守るよう軍指導者に申し入れた。

現在も1027作戦においてミャンマーで中国政府の事業と中国の民間企業による事業がある大多数の地域が革命勢力の統制下に置かれているため、軍評議会に対し中国政府側は、中国官民事業を完全に防護しきれていないことに関して頻繁に警告を発している。

また今回軍評議会が設立した作業委員会は、武装警備会社の設立による国家主権、国防及び治安が侵害される恐れの有無、憲法違反の有無といった項目を精査していくと軍評議会の命令文書に記載されている。

また、共同で設立される警備会社のために、海外から輸入される武器や特殊機器(通信機器を含むその他の輸入規制対象機器)に関して、輸入許可の方法や、統制下での使用を認めるといった点をMOUに含める必要性の有無についても委員会が検討する。

軍が固持する2008年憲法第29条の外交に関する基本原則では「国内においていかなる外国軍の駐留をも認めない」と定められている。

ミャンマーの紛争問題研究家で元記者のサイ・トゥン・アウン・ルイン氏は「今起こっている状況について中国政府は、別のアプローチと同様に、石油と天然ガスのパイプラインなど中国の他の政府事業の利益や国民に対する安全についても十分に確保されていないという評価を下している。対ミャンマー戦略に基づいて自国民の安全を守ることのできるようにと考えているように見受けられる」と考察する。

中国の王毅外相は、中国・ミャンマー経済回廊の建設を大々的に推進しており、軍評議会のウー・タンスエー外相と面会した際に、石油と天然ガスのパイプラインの安全かつ円滑な稼働を保障するよう重ねて申し入れている。

現在中国の石油と天然ガスのパイプラインが通過するラカイン州とシャン州北部は、少数民族武装組織の支配下にあり、中国・ミャンマー経済回廊建設計画も武力衝突によって作業の中断や遅れが出ている。

軍が国内における中国政府の事業の安全を十分に保障できないという状況の中で、中国政府として警備会社の名の下で、武装して安全を確保する状況を創出しているが、どのように組織し実施していくのかについて具体的なことは分かっていない。

軍事アナリストによると、以前から国内の一部中国政府事業の内部の安全確保については、中国が行って来たが、このように2カ国合同で武装警備組織を設立することにより、中国政府の事業実施地域外の警備についても将来担うようになる可能性がある。

同氏は「中国としては、ミャンマーに軍を駐屯させれば問題となるが、中国人民解放軍の退役軍人による警備会社を設立して派遣することならできる。中国の民間企業による事業の内部の警備だけなのか、外部の警備も担うのか、どの範囲までの安全を保障するのかということについては、様子を見なければならない」と述べた。

中国の警備会社のミャンマー国内への関与について、ワシントンに拠点を置く先端国防研究センター(C4ADS)が2021年に発表した報告書によると、メコン地域の国であるミャンマーとカンボジアで稼働する外国の民間警備会社のうち29社が中国の警備会社と関連している。

先日ミン・アウン・フライン上級大将は中国雲南省昆明市訪問中に、中国の李強(リー・チャン)首相と会談した際、ミャンマーへの投資国計52カ国中、中国は第2位の投資国であり、特に投資、政府事業および国民の安全確保に重点を置いて取り組んでおり、エネルギー分野における安全のために引き続き協議のもと協力していくことを約束した。

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( 翻訳者:HR, IA, KF )
( 記事ID:6998 )