インドネシア警察監視団体、軍による検察庁警備をめぐり、司法長官と国軍司令官の国会招致を要求
2025年05月14日付 Kompas 紙

インドネシア警察監視団体(IPW)会長 スゲン・テグ・サントソ氏
ジャカルタ、KOMPAS.com配信-
インドネシア警察監視団体(IPW)は、政府およびインドネシア国会(DPR RI)に対し、アグス・スビヤント国軍最高司令官、マルリ・シマンジュンタク陸軍参謀長、およびST・ブルハヌディン司法長官を呼び出すよう求めた。これは、高等検察庁および地方検察庁に軍人が動員されている件について説明を求めるためである。
「司法長官は透明性を持つべきであり、国民の利益のために国会が同長官を召喚しなければならない。さらに重要なのは、国会が国軍司令官と陸軍参謀長を召喚し、防衛分野における職務・機能について説明させることだ。軍が憲法および国軍と警察の役割に関する国民協議会決議第VII号/2000に違反して治安任務を遂行していることは問題である」と、去る5月12日、IPWのスゲン・テグ・サントソ会長は声明を出した。
同氏は、両機関が結んだ提携について説明を求めるためにも、召喚が必要だと考えている。とりわけ、検察庁が国軍(TNI)によって警備されていることは、両者の狙いや動機に対して国民の間で疑念を生じさせていると述べた。
同氏は、地方検察庁および高等検察庁における治安確保のために、TNIを動員することは、1945年インドネシア共和国憲法(UUD 1945)および2000年インドネシア国民協議会決議第7号(TAP MPR No. VII/MPR/2000)に違反すると主張している。
この規定では、TNIは防衛機関であり、治安維持のための機関でないことが明確にされている。
同氏によれば、法律違反は行政を混乱させ、国家機関間の関係、権力の分立、基本法(憲法)、および統治の仕組みにまで影響を及ぼすとしている。
「したがって、IPWは、TNIが全国の高等検察庁および地方検察庁において警備活動を行ったことが、1945年インドネシア共和国憲法および2000年インドネシア国民協議会決議第7号に違反しているとして、大統領およびインドネシア共和国国会に対し、真剣な協議を行うよう強く求める」と、同氏は述べた。
さらに同氏は、違反された条文として、1945年インドネシア共和国憲法第30条第3項(と2000年インドネシア国民協議会決議第7号第2条を挙げた。
例えば、憲法第30条第3項には「インドネシア国軍は、陸軍、海軍、空軍から構成され、国家の機関として、国家の防衛、保護、および統一と主権の維持を任務とする」と、定められている。
一方で、治安維持は1945年憲法第30条第4項に記述されているように、国家警察の管轄である。また、検察庁の警備は、国軍の主要な任務を定めた2025年国軍法第3号の第7条第2項に該当しない。
したがって、同氏によれば、検察庁の建物は戦略的国家重要施設ではなく、法執行分野における政府の庁舎である。
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「戦略的国家重要施設とは、国民の生活資源、国家の尊厳と品位、そして政府の決定によって定められる国益これらに関するものを指す」と、同氏は強調した。
これまでに報道されたところによると、インドネシア国軍司令官は、インドネシア全域における高等検察庁および地方検察庁の警備支援を目的として、要員および装備の準備と派遣に関する命令を記した電報TR/422/2025号を発出した。
この国軍司令官による電報は、陸軍参謀長(Kasad)によって直ちに対応され、去る5月6日に、緊急扱いのST/1192/2025号が発行された。
陸軍参謀長は、戦闘部隊および戦闘支援部隊から人員および装備を準備・派遣するよう指示し、高等検察庁の警備には30人、地方検察庁の警備には10人を派遣するよう命じた。
この事態は多くの関係者から論争と批判を招いている。専門家らは、法治国家の文脈において軍と民間機関の権限が重複しないよう、TNIの職務の境界を明確にし続ける必要があると指摘している。
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一方で、国軍報道部長であるクリストメイ・シアントゥリ准将は、TNIのあらゆる支援は正式な要請と明確な必要性に基づいて行われていると強調した。
同准将は、部隊の動員はすべて現行の法規に則って実施されていることを確言した。
「TNIは常に職業的専門性、中立性、そして機関間の連携の原則を尊重している」と、同准将は強調した。
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( 翻訳者:中村巧 )
( 記事ID:7112 )