世銀総裁:ジョコ大統領は私が世銀行解体に向けた抗議活動をしていたのを知らない

2015年05月22日付 Kompas 紙
5月20日、ジム・ヨン・キム世界銀行総裁はジョコ・ウィドド大統領と会談した。キム総裁は、世界銀行は120億ドルの融資をインドネシア政府に対して行ったことを明らかにした。
5月20日、ジム・ヨン・キム世界銀行総裁はジョコ・ウィドド大統領と会談した。キム総裁は、世界銀行は120億ドルの融資をインドネシア政府に対して行ったことを明らかにした。
ジャカルタ、KOMPAS.com配信
 ジム・ヨン・キム世界銀行総裁は、今年4月に開催されたアジア・アフリカ会議のオープニングでのジョコ・ウィドド大統領の声明を読んだと述べた。ジョコ大統領の演説は、世界銀行や国際通貨基金、アジア開発銀行のような国際的な金融機関に対する辛辣な批判内容が含まれているという理由から、様々な反応を得ている。

 演説の中でジョコ大統領は、この3つの機関ならば世界の金融危機を克服することができるという見解は捨て去らなければならない古びた考えだ、と述べた。ジョコ大統領は、より集合的で特定の国家の支配に依らない新たな国際的勢力の結集を呼びかけた。

「私はジョコ大統領の演説内容を読んだ。そして実際に、大統領と直接話した。しかし、ジョコ大統領は私が活動家であり、医学者であり、人類学者でもあることを知らないように感じた」と5月20日に大統領官邸にてジョコ大統領との会談後、キム総裁は記者会見で述べた。

 キム総裁は、自身が20年前に世界銀行に対する抵抗運動に関わっており、さらには組織を解体するよう要求していたことを語った。

「私が世界銀行を敵視した理由は、この世界銀行はGDP成長に目を向けすぎて、教育と保健を通じた人間開発への投資にあまり注意を払わないと感じたからだ」とキム総裁は述べた。

 そのため、ジョコ大統領に向け、キム総裁はこの20年間で世界銀行に多くの変化が起こったということを伝えるのみだった。総裁は、自身が世界銀行でこれまでの2年半の活動でいかなる変革を行ったかをも説明した。

 キム総裁は次のように続ける。「その見解を聞いたとき、私は理解した。ジョコ大統領の見解もまた世界銀行において議論になる。従って私は、世銀は世界がすでに世界は変化していること、自らも変化しなければならないことはよくわかっていると伝えた。」

 キム総裁は5月20日、大統領官邸でジョコ大統領と会談した。そしてキム総裁は、世界銀行からインドネシア政府へ120億米ドルを融資することを明らかにした。

「ジョコウィ」の批判

 去る4月22日に行われたアジア・アフリカ会議(KAA)のオープニングでジョコ大統領は複数の国際機関への批判を行った。国連のほかに、大統領は世界銀行、そして国際通貨基金(IMF)とアジア開発銀行(ADB)の2つの国際金融機関を取り上げ世界の金融危機に対して解決策を出していないと批判した。

「世界経済の問題は世界銀行、IMF、ADBによってのみ解決しうると言う見解は、古くさく、問い直しが必要な見解である」とジョコ大統領は4月22日に自身の演説の中で述べた。

 世界経済の管理をこの3つの国際的金融組織のみに任せておくことはできない、という見解をジョコ大統領は持っている。アジアとアフリカの国々には、世界の新興勢力に対して開放された、新しい世界経済の秩序を創り上げる義務があると主張する。

「我々は世界経済の特定の国々による他国に対する独占をなくすために、世界金融の仕組みのの再構築が行われることを強く求める。今現在、世界は、公平で責任あるやり方で実行される集合的なグローバル・リーダーシップを必要としている」とジョコ大統領は発言した。


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翻訳者:妹尾理紗
記事ID:1475