(社説)初出店したKFCが良いことをもたらしますように

2015年07月02日付 The Voice 紙
 長年、世界と関係が切れていたミャンマーで、アメリカ合衆国ケンタッキー州から有名になったフライドチキンを世界中でフランチャイズ方式をとって販売しているKFCがヤンゴンにおいてはじめて開店し、客が大量に押し寄せて賑わった。
 その開店日に客が行列を作り、押し合いながら待って食事をしていたのがシンガポールの新聞一紙で奇妙なものとして報じられ、これをSNS上で一部のシンガポール人がからかったり、揶揄したりするほど有名になった。
 世界の先進国は言うまでもなく、地域内の国々のなかでも30年遅れで取り残されていたミャンマーでは、世界的有名ブランドのアメリカの食べ物を今日になってはじめて直接味わうことができたということが外世界の人々にとって奇妙なニュースになっている。
 外国では、他の食べ物に比べれば、たまに出来合いの食事やファーストフードとして食べるだけのKFCのフライドチキンを、ミャンマー人はなぜそのように奪い合い、列をつくって食べるのかという疑問が残る。
 確かに、独裁制のもとで長く門戸が閉ざされていたミャンマー国民の状況が、世界各国の首都ではどこにでもみられる世界的有名ブランドの飲み物や食べ物を今日になってようやく味わうことできるようになったというものであることが主な原因である。
 さらに、世界的なフランチャイズ店では当たり前の清潔で近代的なレベルの環境を提供しているので、そうした雰囲気を楽しみたいということ、自分自身そうしたレベルに到達したかのように思われたいということ、外国経験の多い人々にとっては外国へ行って初めて味わえるような風趣を自国の中で味わうことができるようになったことなどのため、突如としてできた店に押し合いへし合いして訪れるのである。
 しかしながら、KFCのフライドチキンの販売価格は国際的に売られている値段とさして変わらいとはいえ、外国と比べると最低賃金が大変低いミャンマーの一般的な消費者にとっては手が届かない価格であり、この店で働いているミャンマー国民は最低レベルの地域の国々の同様のKFC店員のように賃金を得ることは簡単ではない。こうしたことは、ミャンマーの政治体制が安定し、経済が発展してゆくに応じて、何年かの間に解決に向かうであろう。
 いずれにしろ、KFCはアメリカ合衆国からの投資であるので、その店の店員は基準通りの賃金が得られること、支店が国中に展開した時にミャンマー人の若者は就業機会を得られること、組織だった職場の経営を学べること、国家の税収が増えることなどのように様々な恩恵をすぐに享受することができるため、歓迎すべき外国投資だと言いたいところである。


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翻訳者:土肥眞麻
記事ID:1614