(社説)ソーシャルメディアの善と悪(Daily, Vol-3/No-203)

2015年12月01日付 The Voice 紙
 東南アジアの幾つかの国においてよく利用され好調のオンラインソーシャルネットワークあるいはソーシャルメディアは、オンラインニュースウェブサイトと主要メディアである新聞、テレビ、ラジオ等に大きな影響をもたらす可能性があることに関してはこれまで多く議論がなれてきた。

 そのような中で、ソーシャルメディアのせいで紙媒体メディアの発行部数低下、若者の漸進的な紙媒体メディア離れや、ソーシャルメディアの使い方を誤り根拠のない噂が広まってしまうといったことが主要メディアに押し寄せていることなどが論じられてきた。

 このほかにも、オンライン上でウェブサイトを作成し、著名なニュースメディアからの重大速報や特ダネニュースを当事者の許可なく転載しそのウェブサイトが多くのアクセス数を得られるものとした上で、ウェブ広告で利益を上げるという問題も議論されてきた。

 ミャンマーにおける携帯電話の販売台数は4000万台を超えているため、約2年のうちに携帯電話からインターネットを使用する人は100万人に達した。そのような利用者の大多数はFacebookのようなソーシャルメディアの利用時間が長くなり、ニュース情報の多くをそのようなソーシャルメディアからのみ得ているということがわかる。

 電話通信ネットワークが良くなってきたので、経済・社会的用件を以前よりも迅速かつ効果的にできるようになってきており、携帯電話を基盤とした新たな市場が出現してきていることとともに、その市場における金銭の流通や使用の度合いが高くなってきていることはよい兆しである。

 しかしながら一方では、考えてみるとソーシャルメディアが武器のように使われて、根拠のない噂や虚偽の報道で長年心の傷を抱えている人々の間では争いや暴力行為が増えるという悪影響も生じうる。

 また、以前記者たちはニュースを一つ報道するにも、大変な努力をしてその出来事が発生している現場まで赴き情報を得、国民にとって的確で根拠のある、充実した報道を与えてきた。しかし今ではそのような記者らをソーシャルメディアを介して上ってくる信じがたいニュースの断片だけで時間を割き、以前よりも怠惰にさせた悪い結果もある。

 どちらにせよ、時代の変化や新たな技術と同様に善も悪ももたらし得る状況には万難を排して向かい合わなくてはならないので、悪い影響はできる限り減らせるよう、ミャンマー国民を法律で保護すること、違反者を取り締まること、国民の知識水準を上げることなどにより、たくさんの良い結果を生じさせる必要があると提言したい。

編集子(2015年11月30日)


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翻訳者:酒徳 結
記事ID:2113