(社説)ミャンマーが平和でありますように(Weekly, Vol-12/No-13)

2016年04月23日付 The Voice 紙
 ミャンマー国軍とアラカン軍(Arakan Army, AA)という名の少数民族武装勢力の間でごく最近起きている戦闘によって双方に死傷者がでていることは、めでたい新年に泥を塗るような事態になっている。
 それと同様に、過去5年の間に時間を割き努めてきた様々な平和構築事業や、現在の新政府と国軍に対する大きな警告もしくは挑戦と言うことができる。
 ヤカイン州とシャン州は現在ミャンマー国軍と直接対峙している少数民族武装勢力集団の多くが基盤を置いている地域であるため、新政府の平和事業計画にとって特に重視して考えねばならない問題ともなっている。
 それに加え、ヤカイン州での2015年の選挙では地元の少数民族政党が最大の議席獲得数、そして第二位の議席獲得数で勝利したが、連邦議会で最も勢力が強いNLDが政府を組織したため、NLD党員である地元出身少数民族議員を州首席大臣(州首相)として任命したことに関しても不満が残っている。
 前政権時代の平和事業で公式な認定が得られなかった(訳者注:政府が公式に認定した武装組織リストに入っていない、という意味)AA武装勢力は、中国寄りのカチン独立軍(KIA)の影響下にあるという批判があること、数年の間に不信をもたれ疑惑の残るような武力および人員拡大があったこと、ミャンマー国軍も平和協議でAA武装勢力が正式に参加し協議することに賛成でないこと、これらは加味して考えねばならない点である。
 ヤカイン州でミャンマー国軍とAA武装勢力の間で戦闘が起きていることは、ヤカイン州内の平和安定のためだけでなく国家全体の平和・安全を得るためにも妨げとなりうるので、双方の勢力ともに非常に注意を払って解決しなければならない。
 特に、新年、新政府が始まったばかりの時にAAとの戦闘が起きていたことについて、いつものよくある事なのか、故意的に起こされた問題なのかという事を、戦闘が起きた双方の軍と地元の人々はより知っているはずである。
 独裁政権であれ、国民の大多数が望んだ政府、もしくは民主主義的な選挙で選ばれた民主主義政府であれ、国の発展のために国家建設事業を行う時、内戦停止もしくは平和の獲得なしで前進し続けるのは簡単ではない。
 それゆえ、世界で内戦が最も長期化し、少数民族武装勢力が最も多く、自己利益追求や国家権力顕示欲が多い事などが複雑に絡み合っているミャンマーの平和実現計画について、内部状況まで継続して理解している人の助けを得て、恒久的平和の構築、獲得可能となることを信じ期待している。

編集長(2016年4月20日)


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翻訳者:馬場愛
記事ID:2412