(社説)若者の犯罪問題に対する解決策を(Daily, Vol-4/No-50)

2016年06月08日付 The Voice 紙
近年、10代の若者が罪を犯す事件に出くわすことが多くなったことは、軽視すべきことではない重要な問題である。
 この少年犯罪の多くは集団でのひったくりや、集団暴行、窃盗であり、上記のひったくりや窃盗の多くは、特に大きな金額ではなく、少額のお金や携帯電話などの個人的に使用する製品であることには、注意を要する。
 ここでは、このような罪を犯した少年たちを、罪を犯した場所とその事件を見ることで、おおむね2つのグループに分けてみよう。
 1つ目のグループは、住所不定で移住を繰り返しながら、その日稼ぎの仕事で生活している人、または、スラム街に住む家族に生まれ育ち、幼いころから町中の路上をうろついている人たちである。
 2つ目のグループは、郊外に住み、家族が教育を受けてこなかったために、本人も教育を受けることができず、幼いころから悪い環境で育ち、しばしばけんかや暴行をしてきた人である。
 この2つのグループに分けられる少年に、非行や犯罪を促した大きな要因は貧困である。この貧困のせいで、気持ちのはけ口になるものを求めているうちに、人づてに薬物を広めて売りさばこうと獲物を狙っている集団とつながりを持ってしまう人もいる。
 薬物の売買で利益を得ている地域では、浮浪する10代の少年にわずかな賃金を渡し利用している。多くの場合、賃金を薬の購入のためだけに使うように仕向けられているので、仕事がないときに、使用する薬のために罪を犯し、お金を得ようとしがちである。
 1つ目のグループの少年たちは、シンナーの吸引などから薬物使用を始め、そこから向精神薬へと段階を上げたいと思った際に、必要なお金を得るため、窃盗やひったくりのような犯罪に手を染めるようになる。
 2つ目のグループの少年たちは、初めから、一日分の麻薬が必要であるため、暴行やひったくりを犯していたが、徐々にエスカレートして、バイクやタクシーをナイフで脅し、強盗するまでの大胆なことをするようになる。
 経過を調べると、貧困と教育機会の欠如、薬物が元凶であることがわかる。さらには、法の支配の不在や、治安当局者たちの品行の悪化や汚職などによって、犯罪が増加し、少年たちが道を踏み外して、過ちの輪廻から逃れられないでいるのである。
 この問題をきちんと現場に出て調査し、短期的・長期的な解決策を見つけ出さなければならない。法の支配を確立するために治安を向上させること、麻薬を根こそぎ撲滅することで、一時的には解決することができる
 浮浪少年を拘束し更生する施設を拡張して開設すること、生計を立てるための技能訓練をその施設で行うこと、罪を犯さないように特別保証制度で就職先を探してあげること、薬物中毒者を犯罪者だと決めつけず薬物依存の患者として認め時間をかけて治療してあげること、そのような薬物中毒の若者のために断薬施設や、診療所、療養所などを建設することなどを、政府自ら、さらには国際組織とも協力して、長期的な計画を立てて取り組んでいくべきであると提案したい。

(編集者2016年6月7日)


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翻訳者:河野美由貴
記事ID:2629