(社説)どっちつかずの子孫にしないために(Daily, Vol-4/No-62)

2016年06月23日付 The Voice 紙
基礎教育を受ける年齢の子供2人を、国際的なカリキュラムで教育をする有名私学に預けている、あるミャンマー人の親が、ミャンマーにある私立のインターナショナルスクールのビルマ語教育制度に関して疑問を投げかけた。

オーストラリアや他の隣国でも、多くの分校キャンパスを開設しているその学校に通う生徒に、中国語を必修科目として定めたことと、ビルマ語は読み書きが出来る程度教えるとして授業時間数をカットしたことに対するものであった。

関係する学校責任者は、その学校で学ぶ学生の多くは中国人と他の外国人であるためだ、と理由を説明したが、ミャンマー人生徒の親達は受け入れられない。

中国語を必修科目に定めたという決定については承諾するが、ミャンマーにおいて開設された学校がビルマ語の授業時間数を減らしたことについて受け入れられないのであった。

同様に、ヤンゴン市とマンダレー市に外国人が設立したほぼ全ての私立インターナショナルスクールでは、ビルマ語を単に教える程度にとどめ、多くの学校では学年が上がると教えなくなる上に、ミャンマーの歴史と伝統的慣習を学習することもなくなる。

ミャンマー人生徒の親は自分の子供に国際水準の教育を身につけさせようとして、私立インターナショナルスクールに預けるが、学校では単なるビルマ語の読み書きを教わるということになり、ミャンマーに来て新設された私立のインターナショナルスクールはビルマ語とミャンマーの伝統を軽視するという性格を持つものとなっている。

言わんとすることは、母国語と伝統は信仰する宗教とは異なり、その国の国民であることを示す特性の一つであり、ミャンマーで私学を開校するのであれば、必ず授業に組み入れて教え、学習することがなにより必要とされるということである。

隣国マレーシアとタイで開校されている私立のインターナショナルスクールでは、母国語と伝統的慣習を必ず教えなければならないと、私学教育法で厳格に定めてられているだけでなく、これに違反した場合も厳しい処分が科せられている。

ミャンマーにおいて、ミャンマー人の両親から生まれ育ったミャンマーの子供達が、自国で開校されている私学のインターナショナルスクールで修学したために、ビルマ語を尊重しない気持ちや、ミャンマーの文化や慣習に価値を見出さない気持ちが起きたとしたら、自国の文学を敬わない、自国民と国家を見くびるどっちつかずの子孫になりかねない。

それゆえ、私学の教育制度を導入した半軍半民のテインセイン政権下で、私立のインターナショナルスクールに教育サービスという名目のもと、なだれ打つように許可を出したことにより、それらの学校から合法的に得られる税金を損失しただけでなく、自国を評価しない子孫を生むようになっていることについて、至急法律を制定し厳しく監督していくべきだと警鐘を鳴らすものである。(編集者2016年6月21日)


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翻訳者:入船友維
記事ID:2677