パーカンのイスラーム礼拝所、違法だとして地元住民が破壊

2016年07月02日付 The Voice 紙
ヤンゴン 7月1日

カチン州パーカン地域にあるイスラーム礼拝所を、違法に建てられたものであるとして、7月1日の夕方、地元住民らが集まって破壊したことが、住民への取材によって分かった。
破壊された礼拝所は、パーカン郡ロンギン村落群レービン村にあり、違法に建てられているとして関係当局が取り壊すよう指導していたが、従わなかったため、住民が取り壊したものであるとロンギン村警察署の担当警察官の1人が述べた。
「彼らが取り壊さなかったために、住民が壊しに来た」と同警察官は述べた。
SNS上では、住民が建物を燃やしたことが確認できる。
破壊によって何かしらの問題が起こることはなく、けが人も出ていないことが、上記の警察署への取材により分かった。
現在に至るまで、破壊行為に対する逮捕はまだ行われてはおらず、上層部の指示があった場合に逮捕等の措置をとっていくと、警察署の担当者が述べた。
礼拝所があった丘には、1990年頃に、近隣のレービン村僧院の僧侶らの許可を得て一人のムスリムの男性が生活していたが、その土地に対して正式な所有許可は与えられてないことを、タインライン(シャンニー)民族発展党[Tai-Leng ( Shanni ) Nationalities Development Party]のメンバーであり、パーカン郡選出の国民代表院元代議員であるウー・セインニュンタウンが本紙に対して語った。
「僧院で、その男は少し掃除といった手伝いもした。手伝いをしながら、彼は僧侶にお祈りをしたいと申し出た。自分一人だけでということで。僧侶方お二人、亡くなられたそのお二人ともが、一人で祈りを捧げたいならそれはよい。他の者を呼んではならない、[と仰ってそれを許された]。」と同氏は述べた。
後に、その場所にお祈りにくる人が徐々に増えていき、2014年にレービン村とロンギン村をつなぐウユ川の橋が建設されている間、その場所に人々が囲いを作ってモスクを建設したため、地元住民が耐えられなくなったという。
「彼らは橋の先端部を垣根で囲ってしまったのだ。橋ができ、囲いを壊したところ、モスクが姿を現し、住民が我慢ならなくなった。それが発端だ。」と同氏は述べた。
この問題に関して、ヤンゴン市に拠点を置くミャンマー全国イスラーム教会に問い合わせたところ、現状を正確に把握し切れていないために、答えられない、ミャンマーにあるイスラーム教関連の団体で会議を行う予定であるとの回答を得た。
礼拝所に関連して、ミャンマー全国イスラーム教会は、カチン州首席大臣に6月29日付けで文書を送付し、礼拝所は該当地に1990年に建設され、存続してきたものであるため、取り壊しの予定を中止するように申し入れをしていた。
ウユ川橋を建設する際、工事をしていた労働者が、その土地に倉庫と休憩用の建物を一軒ずつ建て、橋が完成した後に仏塔管理委員会に譲り渡した旨が、レービン村イスラーム教礼拝所の責任者の一人であるウー・チョールインが6月27日付けでドー・アウンサンスーチーに送付した文書に記載されている。その文書には、礼拝所が合法的に建設されたことを示す証拠も提出したことが記されている。
上記の建物の破壊についても6月19日を期限として関係当局が指示し、すでに破壊が行われたと文書には書かれている。
礼拝所をそのように住民らが破壊したことに対して批判が出ており、この問題に関して、パーカン郡選出管区域議会代議員と国民代表院代議員に問い合わせたが、コメントは得られていない。


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翻訳者:大橋 響
記事ID:2717