(社説)日本ビルマ関係

2016年11月03日付 The Voice 紙
 アウンサンスーチー氏の今回の訪日は、2015年の選挙以前に行ったそれとは異なり、初めて国賓として招致されての訪日だったので非常に特別なことであった。
 それに加え、日本外務省の発表によれば、アウンサンスーチー氏を日本政府が最高レベルの招聘で招いたので、これまでの歴代ミャンマー政府に対して日本政府が行った招聘よりもいっそう際立ったものであったといえる。
 ミャンマーと日本の関係を言うならば、第2次世界大戦時、イギリス支配下からの武力反乱による独立の獲得を決心していたアウンサン将軍と三十人の志士から始まったといえる。
 現在のミャンマー国軍の前身であるビルマ防衛軍やビルマ独立義勇軍が、近代的戦術を日本軍から初めて教わったことは、ミャンマーと日本の感動的な関係の始まりである。
 それ以降、日本の軍人政府は、約束を破るつもりで本来の隠された陰謀のために、ミャンマーに偽の独立を与え、ミャンマー国民を冷酷に支配したことは、歴史に刻まれた汚点となっているが、日本から得た軍事技術によりイギリスに抵抗し、戦うことが可能となった。
 さらに、アウンサン将軍率いるビルマ軍は日本軍の教えた軍事技術により日本に対しても反抗し戦えたということも、ミャンマーの歴史と日本の歴史の双方において特別な歴史の一コマとなっている。
 しかし、第二次世界大戦が終わり敗戦した日本は、多額の賠償金を支払ったほか、ミャンマーに対しても今日まで借款、債権放棄、人的協力などの多くの支援をしている国である。
 今日、ミャンマーで多くの日本企業の投資が始まりつつあり、ティラワ国際港計画で日本の一部企業は投資を始めていて、ダウェー深海港でも投資される見込みがある。
 また、現在、域内経済におけるライバル大国になってきており、過去においてもいまだ認識の一致にいたっていない歴史的出来事があった中国と日本との間では、ミャンマー国民が納得できるかどうかという点でも、経済発展のためという点でも、ミャンマーと日本の関係は、中国とミャンマーの関係よりも、ずっと順調なものとなっている。
 いずれにせよ、建国の父アウンサン将軍から始まった日本とミャンマーの関係は、将軍の娘であるアウンサンスーチー氏の時代に至った現在、どの時代とも異なり二国間の親交、協働、相互協力は何倍にもまして発展し成功させられると期待している。

編集者(2016年11月2日)


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翻訳者:久宗美里
記事ID:2925