(社説)間違った計画とならぬよう (2017年1月12日 6)

2017年01月12日付 The Voice 紙
 1月9日、ネーピードーで開催された国家計画委員会会議で、前政権時に始まった計画に関連して、国家大統領のウー・ティンチョーが語ったことは、実現するために準備を進めている物議をかもした計画の一部を念入りに調査検討しなおすための一つの後押しとなった。
 ミャンマーの経済にとって、最も中核を成し、国の経済を向上させることにおいて、最も重要な拠点であるヤンゴン市開発計画は、前政権時に始まったわけだが、現政権になってやっと透明性が確保されるようになった。大都市ヤンゴンの拡張という場合、重要となる新都市計画の一部においても、ミャンマー経済界では独占的に利権を得ている2つのグループで市場を奪い合う形となってしまったというニュースが報じられたため、現政権での新たな新都市計画が浮上した。
 新都市計画を含むミャンマー全土におけるその他の計画の中でも、政府または国軍と非常に近い関係者、クロニー[政商]経営者と中国企業あるいはミャンマー国内の中国系企業とつながっていることが多いので、ミャンマーの主な入口、出口となる空港と海港の多くは、中国と無関係ではない者の手中に利権がわたるという結果となっている。
 前政権時代に、ギブアンドテイクの形で合意をとったと批判の多いハンタワディ国際空港計画も、ヤンゴンから50マイル以上の距離に位置するせいで余分な費用が掛かり、追加計画があるがゆえに、経済的に採算がとれないが、現在も引き続き推進される見通しである。
 地域に山地が多く平地が少ない日本、韓国を含む、多くの国の空港の殆んどは、首都と50キロ(約30マイル)の圏内に位置するが、ヤンゴン川の対岸は広大で平坦であり、何エーカーもの海に面する土地があるにもかかわらず、50マイル以上(約80キロ)の距離があるペグー市の近くに新空港を建設する計画を立案したことは理解に苦しむ。
 世界で首都と最も離れたところにある空港トップ10に含まれるマレーシアのクアラルンプール空港でさえ、42マイル(約68キロ)ばかりの距離であり、ヤンゴンに最も近い海と面した広大な平地があるミャンマーで[旧]首都と50マイル離れた場所に新たな空港を建設することの是非は、大いに検討しなおされるべきである。
 空港とは主として、国内外の渡航者と物資を出入りさせるための中継施設であるため、余分な費用をできるだけ少なくし、渡航者と物資が空港と都市の間で短時間に必要な距離に到着できるようにすること、長い距離のために再び建設しなければならない高速道路、高架もしくは地下鉄道、遠隔地と結ぶ道路計画などの費用をできるだけ抑えることを基本的に考えていかなければならない。
 国家計画委員会の会議で述べられた国家大統領のスピーチに含まれた事柄を考慮に入れることで、かけ離れた距離のために時間がかかり、また追加で余分な費用が膨らんでしまうハンタワディ国際空港計画よりヤンゴン川の対岸、クンチャンゴウン郡区にある、海側へ飛び立つことができる広大で平坦な土地の方がより相応しいという考え方もあることを提言として指摘するものである。編集者(2017年1月11日)


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翻訳者:萩原 和宏
記事ID:3211