(社説)ドー・アウンサンスーチーへの誕生日プレゼント (2017年6月21日 6)

2017年06月21日付 The Voice 紙
 一昨日の6月19日は、国家顧問であり、民主主義のリーダーでもあるドー・アウンサンスーチーの72歳の誕生日であり、ドー・アウンサンスーチーに敬意を表す国民らが、誕生日の記念として同氏の姿をグラフィティで描いたり、祈念したりしたことがSNSから分かった。「お誕生日おめでとうございます」とお祝いするには1日遅れてしまったけれども、まだドー・アウンサンスーチーの誕生日からそう時も経っていないので、本誌としては、「あなたが知恵と思いやりをもって、心やすらかにミャンマーの諸問題を解決できるようお祈りいたします」と祈願する次第だ。その理由は、国家のリーダーであるドー・アウンサンスーチーに解決してもらわなければならない問題がミャンマーに山ほどあるのは確かであり、それらの問題の解決が、同氏の率いる政党に強い期待を寄せて投票した大多数の国民の生活を向上させるために大いに重要であるからだ。
 エーヤーワディー川やチンドウィン川などの大きな川の畔で、毛布一枚で家のように屋根を作り、避難を強いられている戦争避難民たちや、戦闘での仲間の戦死により感情の抑制が効かなくなっている様々な部局の軍人たちとしては、国内和平が一刻も早く実現しますようにと祈願していることだろうし、60歳を超えたために退職した年金受給者らは、上がりつつある物価に見合う年金額を得られるよう取り組んでくれますようにと祈願しただろう。論争になっている通信法第66条(D)のせいで拘留されている記者達のために同法律を廃止するよう要求している人達は、報道の自由が得られるよう取り組んでくれますようにと祈願したにちがいない。それぞれの人たちが、自分の直面している問題や置かれた状況に基づいて、どれだけ異なった希望を抱いていたとしても、民主主義のリーダーである人物と民主主義政府に期待しているという点ではまったく同じであろう。
 自分が何を得られるかより、自分が何を与えられるかを考えるべきだ、と推奨したドー・アウンサンスーチーの言葉を読者達は既に知っているだろう。その言葉は家族間の関係から始まり、社会での関係のみならず世俗社会を離れた世界においてまで、良い結果をもたらす価値ある忠告と言っても間違いではないだろう。それにしても、国民と行政機関との関係、言い換えれば、リーダーとフォロワーの関係においては、リーダー(支配者)の側からの取り組みがあって初めて解決できるような問題もあれば、国民(フォロワー)側が行動を起こすことで初めて解決できるようなものもある、ということに特に注意しなければならない。例えば、両親の務めを子どもが行うことはできないという類のことである。ミャンマー国民一般が年老いた母親の年齢だと考える72歳という年齢に達してまでも、大きな困難に立ち向かっているドー・アウンサンスーチーのために、どのような誕生日プレゼントがあるかと問うならば、国民の慈愛と期待だけだとの答えになるだろう。その際、まずお願いしたいことは、良い変化を望む人達全員が自分の方から与えられるものを最大限与えることと、民主主義のリーダーを含むその政権に対してもこれ以上ない期待を寄せ続けることであると述べたいところなのである。


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翻訳者:金子愛
記事ID:3616