(社説)水上バスの安全性を軽んじるべきではない(2017年10月12日 4)

2017年10月12日付 The Voice 紙
 交通渋滞緩和をある方法で支援するということを目指し、ダディンジュ(訳者注:10月の満月の日。お釈迦様が天から降りてくるとされ、仏塔などで火が灯される灯祭りの期間でもある。両親や先生、お世話になっている人達に贈り物をして感謝を表す)期間からヤンゴン川での運航を開始した水上バスについて、利用している国民の間で一部のことに対して批判が起こっている。最初に予定した時期から3ヶ月経過ののちに運航開始した上記の水上バスは、一部の国では水上タクシーや水上フェリーと呼ばれているが、要は一般国民の移動を容易にするために運航されている船である。
 隣国タイのバンコクを訪れたことのあるミャンマー人ならチャオプラヤー川で終日定期的に運航している上記の船に乗ったことがあるように、バンコク市民だけでなく短期の観光客にとっても十分に頼れるような状態にあることに気づくだろう。年数が十分に経過し安定しているバンコクの水上輸送船に比べ、批判するわけではないが、ヤンゴンの水上バスが乗客にとって心地よく、頼れる存在になるためには、更に満たし改善しなければならない要件がまだあることは明らかである。
 ヤンゴンでマタタ(訳者注:バス管理委員会のビルマ語省略形)を廃止し、YBS(訳者注:ヤンゴンバスサービス)に急に変わったとき、ヤンゴンを移動する国民のかなり多くが混乱したことを覚えているだろう。しかし、現在水上バスは交通渋滞の緩和のため試験的に開始したようなものであり、試乗者と上記の水上バスの航路に近い人々からの批判だけが増えているようなものである。YBSへ移行したときのように、町中が混乱しているわけではない。現在、船は合計で5隻運航しているというが、今後乗客数の増加に伴い船の数も多く必要になるだろう。
 上記の水上バスを利用し続けるつもりで利用を開始した乗客の批判の声を聞いてみると最も重要な2項目は安全と利用時にかかる時間の程度であることがわかる。周知の通り、ミャンマー社会は危険に関する事になると「何も起こらなければ何ともない」というように軽んじられることが多く、安全という要件を重視して注意を向ける人は非常に少ない。しかし、関係の責任者らは、多くの国民のそのような安全軽視の意図のとおりに水上バスの安全を軽んじるべきではないことに特に注意をしなければならない。陸路、水路、海路の3種で運行、運航しているどの「乗り物」にも危険はある。現在の水上バスにおいても客の安全を特に重視し監督しなければならないように、他の必要な点のためにも乗客の声に関係者は耳を傾けなければならないということを述べておきたい。
 編集者(2017年10月11日)


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翻訳者:鈴木将吾
記事ID:3782