(社説)適材を適所に置く教育システム(2017年11月7日 4)

2017年11月07日付 The Voice 紙
 10年生(大学入学)試験を優秀な成績、高得点で合格した生徒に対し、家族のみならず先生、親戚の多くが通わせたいと考える医科大学の入学資格に関して、10年生試験の点数だけではなく、面接を行ってから入学を決定するシステムに変更して実施すべく、関係する各所の責任者らが計画し準備を行っている。そのシステムによって、医学を本当に学びたいと考え、医学の知識を使って本当に仕事をしたいと考える者をより多く輩出することを目指すことが分かった。

 ミャンマー社会の中で尊敬を集める職業の中で最上位にある医者の育成に関し、現在のように10年生試験の点数という基準ひとつだけでなく、医者という職業にどれだけ関心があるのかという点を重視し考慮に入れてから入学許可を出すと聞いたため、それは歓迎すべき計画だとまず述べておきたい。その理由は、これまでずっと、人々の命を救いたいという気持ちから医者になりたいと思っても、決められた点数に惜しくも届かなかったために医者になる夢を完全に捨てなければならなかった者がたくさんいたのと同じように、親や親せき、先生らの圧力によって、医者という職業に関心がないのに医科大学に無理に通ってM.B.B.S(医学士)の学位を得る者も多くいるためである。

 人生の転機における多くの変化の中の一つである大学入学試験で成功した者にとって、医科大学で人々からの尊敬を得られるということより、関心と思いやり、苦しみといった気持ちをもって教育を受ける権利を獲得すること、言い換えれば適材を適所に置く上で今回の計画は大きな支えとなるだろうと考えることができる。率直に言えば、ミャンマー社会においては不十分な点が多い教育システムであるために、教育に関しては、知識を得たいと思う当事者である学生の多くが自身の関心やとりわけ興味を持つ科目を選ぶことができるような環境はあまり整っていない。一方で、そのような状態にあるのは、医者、将校、エンジニアといった仕事に関係する知識分野のみが将来の保障があるような状況であり、他の知識分野によって生計を立てられる状況にも環境にもほとんどないためである。よって医者になること、エンジニアになること、そして将校になることだけが大学入学試験を受ける者にとってもその親にとっても最大のゴールであるかのようになっている。

 2000年代後半に工学と他の一部の科目を使って生計を立てることができる事業が増え、2010年代後半の政治と経済における変化よってより多くの扉が開くときがやってきてはじめて、文科系、理科系の科目を熟知していれば、医者、エンジニア、将校と同じように人生の保障を得られるのみならず、人々からの尊敬も集めることができることを、若者たちと彼らの親も含めてもっと理解するようになってきた。いうならば、医者であれ、エンジニアであれ、将校であれ、歴史専門家であれ、地理専門家であれ、化学専門家であれ、自身が熟知し専門とする学問でもって自身の家族、国と社会に対して効果的に貢献することができるならば、尊敬を得るのみならず、人間としての価値もでるだろう。このようにそれぞれの学問分野を学生自身の関心に沿って適材を適所に配置するという方法で、価値を実感しながら勉強する者を増やすために、関係する専門家らが責任をもって誠実に土を耕す(環境を整える)ことが必要であると述べたい。

編集者 (2017年11月6日)


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翻訳者:星野純
記事ID:3929