東南アジア・スマートシティ10都市のリスト入りしたマンダレー市の市開発委員会広報担当ウー・チョーサンミンとのインタビュー(Vol.6/No.168, 10月24日10)

2018年10月24日付 The Voice 紙
「短期間でより迅速に発展・変革したからだと思う」

東南アジアのスマートシティ10都市にランクインしたマンダレー市の開発委員会広報担当ウー・チョーサンミンへのインタビュー

エースムン

東南アジア諸国のスマートシティー10都市がリストアップされ、マンダレー市が第5位に入った。テクノロジーに基づき都市の発展を目指しているASEAN諸国の26都市の中で、10都市を選んだ中に含まれ、プーケット・マカッサル・ダナン・バンコク・ニュークラークシティーらを制し、ハノイ・シンガポール・ジャカルタ・クアラルンプールらの次にランクインした。スマートシティーのリストに含まれるマンダレー市について、マンダレー市開発委員会広報担当ウー・チョーサンミンとのインタビューを抜粋し述べる。

記者 :
はじめに伺いたいのが、マンダレー市としてスマートシティーのリストに含まれたことをどう知ったのか。

ウー・チョーサンミン(以下UKSM) :
スマートシティーは、先の3月に第32回ASEAN首脳会議でシンガポールのリーシェンロン首相がASEANスマートシティーネットワークを作ることを提案したことに始まる。これにASEAN諸国も賛同したのだ。合意した後、東南アジアの諸都市の中でどの都市がスマートシティーの条件と一致するかということを検討した。
そのように検討してみた際、ベトナム・ハノイ市が先頭だった。マンダレー市は第5位だ。マンダレー市の後には、バンコクもある。なぜマンダレーがスマートシティと認められたかというと、短期間に発展してきた。特にゴミの廃棄・衛生の分野でそうとう努力してきた。もう一つは、インターネットに基づいたシステムに変更し始めている。
例えば一部の駐車場で、出入りをインターネットで統制するゲートバーのシステムがある。信号機にはセンサーのついたCCTVカメラが設置されている。そのようなシステムを開始している。そういったシステムに変わっていることもある。道路を作り電灯をともすなど顕著な変化も起きているのでマンダレーをスマートシティーとして認定したのだ。市民も、共に協力するようになったためということもある。例えば、都市の衛生問題では地区ごとにボランティアたちが協働している。都市衛生の日と決めて、やろうというのも我々が計画したものではない。地区の人々が求めたのだ。そのように取り組んでいることもあり、スマートシティーに認定されたのだ。

記者:
そのように認定されたマンダレー市としては、何が特徴的なのか。開発委員会は何を継続して行うのか。

UKSM :
私が知っている限りでは、認定されたということだけだ。
認定されて一方では誇りに思う。もう一方では、責任がより大きくなってくる。マンダレーで行う仕事はまだたくさん残っている。
大変無秩序となっている交通ルールが改善するようにしなければならない。また、公共交通機関であるバスシステムが良くない。鉄道環状線システムのようなものはマンダレーにまだない。市民が容易に行き来できるよう、危険のないよう、車両規則や交通ルールにまだ引き続き取り組まねばならない。道路に照明灯が付いたといってもまだまだ不十分で、道路もまだ引き続き修理が必要だ。特に残っている重要なことは、清潔な飲料水を得るため、水の供給システムを改善することだ。やることはたくさんある。今回のように認定されたため、より一層努力しなければならない。

記者 :
東南アジアのASEANスマートシティーネットワークに取り組むといって合意したため、そのネットワークとしては、何を継続して行うのか。

UKSM :
それは私は、正確には知らない。しかし、IT専門家委員会のウー・イェーミャットゥーをスマートシティー・オフィサーとして委員会が決定した。彼にスマートシティーになるため取り組む責任を与えてある。ASEANネットワークと連携して行うことも含まれる。実施せねばならないことがある。ASEANスマートシティーネットワークの枠組みはすでにある。

記者:
10か国のスマートシティーリストで、マンダレーはバンコクを上回ったというのは、どう優れているからか。

UKSM :
それは、選んだ人の決定だ。私の意見では、短期間でより迅速に発展・変革したからだと思う。バンコクはすでに発展を遂げているということもある。我々はバンコクに追いつくために大いに努力しなければならない。我々がバンコクより優れているからということではない。我々の発展が速いからであろう。路上の物売りが整然としていることに始まり、何もかもが我々より優れている。発展の速度と努力が他より効果的に成果を上げたので、バンコクより上位に認定されたのだろう。

記者:
汚水処理、市内の発展のために実行していることについては。

UKSM :
マンダレーでは清潔な飲み水利用の問題、汚水の浄化という問題、これらが残っている。1991年あたりから、「水の供給」と名付けて行った。年が経過して、水道管に穴が空いて至る所から水道管内に汚泥が堆積したり、不潔な水が流入したりしているため、水道管の修繕をしているものもある。その事業は未だたくさん実施しなければならない。
今のところ、新委員会が管理する世代に行っているのは、日本からの支援でピェージーダゴン区、チャンミャーターズィー区などで浄水を供給する事業を開始している。このチャンミャーターズィー区内にあるタンマワディーでは、浄水場を建設済みだ。日本大使が来て開所してくれたのだ。また、日本の援助だけでマンダレー・ヒルの麓、カナウン皇太子大陵墓の付近に浄水機器を設置して稼働している。[これは]飲用水の浄化のために行っていることだ。アジア開発銀行(ADB)、フランス開発庁(AFD)の借款でティンガザー川とシュエタ川の浄化のために行っているプロジェクトがある。アマラプラ側にティンガザー川、シュエタ川からくる汚水を浄化し廃棄する計画がある。しかし、このプロジェクトは前政権の時代に合意して、今も継続しているもので、進歩が少なく遅く、実現されないので、市長もテコ入れを行っている。

記者:
不法住民の問題を解決しているというが、その状況はどうか。

UKSM :
地方の人々が就労の機会を得るために都市部に来る際、マンダレー市に来る人々も多い。やって来た人々が、居住するために路上で不法に家を建てて住み着くことがある。そのように居住した結果どうなってきているのかというと、麻薬の問題、売春の問題、他にもひったくりの問題、ひったくり犯を逮捕せねばならないので取り調べをしても、不法居住地域に住んでいる人々であることが多い。それで、彼らを秩序立って立ち退かせる施作を現在開始している。過去にも一度実施したことがある。不法住民たちを立ち退かせ賃貸の住まいに住まわせたこともある。現在はそのように住まわせる計画はまだない。しかし、規則なく住んでいる不法住民に計画を実施し、立ち退かせている。数ヶ月中に個人の敷地内に不法侵入している人たちを、市開発委員会が責任を持って関係地域の警察と共に立ち退かせる計画がある。


記者:
このように[スマートシティーとして]認められたことは、委員会新メンバーの働きによるものと言えるのか。

UKSM :
誰でも自分が責任を持つときには最善を尽くして努力するものだ。過去に改革を行なった市長たちや委員会もそれなりに努力しただろう。今スマートシティーと認められたのは、市長であるイェールン博士とイェーミャットゥー氏らが2017年の日本視察で向こうの状況を学んだ。また、関係も築けた。その成果でもある。

記者:
マンダレー氏開発委員会を、他の管区・州や委員会のメンバーらが今年視察したこともあった。マンダレー市もスマートシティーのリストに選ばれたのに際し、他の管区・州に何をアドバイスしたいか。

UKSM :
東南アジアのスマートシティートップ10に選ばれたことは、我々としても光栄で嬉しいことだ。一方で責任も生じてきている。他の州や管区の開発委員会も、自分の街がよくなるようにしているのだ。今回のことは、我々がIT分野に国際的にも移行している。ITを基盤に行なっている事業は最終的に税収も十分に得られる。従事する人たちも苦労せずに済む。我々が道路を建設している機械をはじめ、ITを基盤にする方向に移行している。ゴミ収集車がどこへ行ったか、何をするか、1日に何回出動したか、何トンのゴミをどれくらい積んだかなどをはじめ、ITを基盤に行うとより迅速になる。仕事も片付くようになる。
他の州と管区も、IT分野に基づくシステムに移行しているだろう。そのような移行をしているならより良いと助言したい。我々は事業を行う際、各部局がViber(訳者注:無料通話・メッセージアプリ)を開設してある。委員会としても設置してあり、委員会のメンバーは担当グループごとでも開設している。あらゆる手段が揃っている。連絡が簡単に素早くなるようにしてある。全ての部局をまたがる形でも開設している。私は市場・屠殺局を取り扱うので、私の部局で何をしているか、どこに行っているかということをすぐに載せ報告している。解決せねばならない問題が発生してもすぐに報告し、すぐに知り、すぐに解決する。また、必要な一人一人と相談することもすぐにできる。そのため、仕事がより上手くいく。もう一つは、このように報告するシステムがあるため、職務怠慢はできない。現場に実際に行かないというわけにもいかない。仕事もより捗るようになる。インターネットをより活用するようになったため、仕事がより早く終わる。

記者:
お時間をとって答えていただき、ありがとうございました。


同じジャンルの記事を見る


翻訳者:笹森奎穂
記事ID:4567