(社説)自然災害に事前の注意を

2019年05月01日付 The Voice 紙
5月1日

 明日・明後日で、猛烈な勢力のサイクロン・ナルギスがミャンマーを襲ってから丸11年になる。およそ10万人もの国民の生命を奪っただけでなく、拠り所とする住居や生業の場である農地など多くの物を破壊したナルギスを、国民、特にナルギスの被災者たちは、決して忘れることができないだろう。

 ミャンマー人は天候もしくは自然の甚大な災害に関して、経験が少なく、また事前の備えも無いに等しいほど乏しかったため、10万にものぼる人々の命が失われたのである。しかしナルギスの後、被災者たちへの救援や再定住のために、政府も数多くの教訓を得た。また非政府・民間人率いる慈善ボランティア団体も、非常に貴重な多くの学びを得ることとなった。

 大災害に関して私たちには「仮説」のような憶測が一部にある。人々の品行が悪くなればなるほど天候にも異変が生じるというものだ。人間同士の慈愛による行いや付き合い、思いやりが少なくなって、自我や欲望ばかり優先しすぎるようになることが理由で起こるということを意味する。憶測とはいえよく検証してみれば、森林の乱伐が原因の気候変動のようなことは、その意味と実際が大いに繋がっていることがわかるだろう。

 ソーシャルメディアの利用が増加した現代、様々な噂が頻繁に出てくるが、その利用者が責任を自覚し、確認を行うことで、噂がデマであるかどうか、一瞬の間に知ることが出来るようになっている。大多数の人がスマートフォンやソーシャルメディアにより、暴風雨、地震などの自然災害に関する情報を前もって知ることができ、以前より準備もできるようになってきた。

 何らかの自然災害が起こると予想されるなら、事前に準備できることは非常に重要で、とりたてて説明するまでもない。国民に前もって知識を与え啓蒙すること、救援活動に向けた関係者の予行演習は、災害マネジメントのために肝心である。現在、暴風雨や地震のような大災害の危険は以前より増加しており、災害に関する知識を増やすことも、他の課題同様、重視して取り組まなければならないと提言するものである。

編集者(2019年4月30日)


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翻訳者:笹森奎穂
記事ID:4765