(社説)社会における無名の英雄(Daily, Vol-7/No-168)

2019年10月24日付 The Voice 紙
 最近、マンダレー・バガン間を走行している急行列車一輌が脱線転覆する事故が発生し、機関助士で機械灯火責任者の一人が、命を賭けた行為によって、後ろの車両の乗客が負傷せずに済んだことが明らかになった。

 コー・チョーチョーウーという名の上記の機関助士は、列車脱線後、機関車が転覆する前の一瞬の間に、機関車から跳び降り、客車と機関車の間にある連結器を外したことで、客車が機関車と一緒に鉄道線路脇にある溝へ落下せずに済んだということが分かった。

 自分の列車に乗っていた乗客が危険にさらされるであろう事態に対し、それを重要なことと捉え、自分の命の危険を顧みずに連結部を外した前出の機関助士の行いは、非常に尊く、功績を認めるべきものであるように、ミャンマー国鉄としてもこの機関助士のような従業員と一緒に働く機会に恵まれたことを、非常に誇りに思うべきである。

 人間の歴史の中で、誰か一人のせいで多くの人が苦難に遭遇する出来事がある一方で、誰か一人のおかげで多くの人が危険から免れる出来事もたくさんあった。

 ミャンマー国内で上記のマンダレー・バガン間急行列車の機関助士のように、乗客の命に関わる危険が生じた場合に、命懸けで救助した航空会社職員や船舶職員は存在する。普通の人や普通の職員、普通の公務員であるが、多くの人を助命するために自分の命を賭けるという恐ろしいほど勇敢な人なので、彼らを「無名の英雄」と認めそのような呼称で呼ぶべきだろうと思った。

 省庁や機関、組織ごとに、務めや規則規律に従い、行動できるように、いかなる職員にたいしても教えることはできるが、今回のように勇敢になるよう教えることは易しいことではない。その理由は、自分の命を賭け、恐れずに他の人を救うという勇敢さは、心の中に植え付けられた気質のようなものだからだ。

 本紙としては、国と社会のために、人道的な心、人としてふさわしい心で、自分の任務を自分にとって最高のものにするために、努力し遂行する人全員と、マンダレー・バガン間急行列車職員のように無名の英雄全員に対し、常に敬意を表し栄誉を称えることを述べるのである。

編集者(2019年10月23日)


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翻訳者:重原志帆
記事ID:4983