社説 スマホ画面上にある注意を払うべき嫌悪表現(Daily, Vol.7, No.200)

2019年12月01日付 The Voice 紙

 昨日、ある民間新聞で「うわさを差別主義者が運ぶ。愚か者たちが拡散する。そして間抜けな人たちが受け入れるということに常に気をつけなさい」という文面を読んだ。レバノン生まれのアメリカ人作家であるジアド・アブデンヌール氏の有名な言葉である。元のフレーズは、”Rumors are created by haters, spread by fools, and accepted by idiots” である。今日のようなソーシャルネットワークやソーシャルメディア上からいろいろなうわさがよく広がる時代を非常に反映した特筆すべきことばといえる。

 うわさについては、作家や記者がそれぞれのメディアから記事として、また討論欄という形で、いろいろと話し合ってきたので、とりたてて説明していく必要はない。

 正しくない情報、フェイクニュース、推測で言った事がら、誰が言ったのか分からない事がらをはじめとしたことはうわさと関連したことばかりである。以前の情報暗黒時代(注:1962年から半世紀にわたって続いた、出版物を対象に厳しい検閲のあった時代を指す)の時はというと、情報は又聞きの形式でうわさの形でのみ人々の間で広がっていくことが多かった。

 同じような状況から考えると、軍政時代からミャンマーにおいて世界的に知られた有名なある将軍がPROMINA(注:ミャンマー人女性がよく使う基礎化粧品)のブランドの化粧をよくしていたということはミャンマー国民によく言われていたことだ。俳優のように肌がきめ細かかった上記の軍関係の政府高官が本当にその化粧をしたのかしていないのかは誰もはっきりさせることはできない。今の時代なら、彼が上記のことが本当に事実かどうかをFacebookあるいはTwitterの自分の持っているアカウントから説明できるだろう。

 そのため、現在、うわさやフェイクニュース、間違った情報が以前よりもより広がっていく可能性があるというのは正しいが、それらに短時間で反応することや説明することができる。しかしながら、情報の内容を含めたうわさの拡散・流出がとても速いので、影響も大きいことが分かる。

 どこの誰が初めになっているかは分からないが、インターネットのソーシャルネットワーク上の事がらの多数は責任の所在がはっきりしないため、様子を見て念入りに調べて初めてまた拡散やらなにやらすべきである。

 もう一つは、Media Literacyという、メディアのことをあまり知らないこと、メディアの特性をあまり把握していないことのせいでフェイクニュースやうわさを信じてしまう傾向にある。珍しい情報を見つけて、少なくともその情報は責任の所在を明らかにして正規に存在しているいずれかの情報メディアが書いているのかどうかを念入りに調べてみる習慣をつけるというようなことを言いたいのだ。

 現在はというと、次第に政治にとって曲がり角となる可能性がある2020年選挙が近づいてきているので、間違った情報やうわさ、ヘイトスピーチがソーシャルネットワーク上で様々な形で出て来うることに特に気を付けなければならない。

 特に、人々が最もショックを受ける状況でうわさは最も危険をもたらしうるので、そのような時期になったらより注意することができて初めて、争いや問題で傷つくことが少なくなるであろうことを言いたいのだ。

編集者(2019年11月30日)


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翻訳者:朝倉サヤカ
記事ID:5043