(社説)ミャンマー人が立ち向かわねばならない訴訟(Daily, Vol.7-No.209)

2019年12月11日付 The Voice 紙
国際司法裁判所(ICJ)で、イスラム協力機構(OIC)の国々の代表であるガンビアがミャンマーに対して訴訟を起こしたことに立ち向かうため、オランダ・ハーグ市にミャンマー国家顧問であるドー・アウンサンスーチーが到着したという知らせを海外メディアのほとんどの紙面で目にすることができる。

ミャンマーの民主主義の歴史の中で卓越した人物の一人であるドー・アウンサンスーチーとして、さらに歴史の一つの項目を作り上げる事にもなる。ハーグに自ら向かい、我が国の利益を守ると彼女が発言して以来、皆がドー・アウンサンスーチーに驚愕した。

NLD支持者や、NLDの競争相手である政治勢力、ナショナリスト勢力も驚愕した。一部の批判する先生方はと言うと、ドー・アウンサンスーチーは彼女に反対する、あるいは
彼女を必要としない人、政治的な競争相手を保護している状況になっているとさえ述べている。

いくつかの海外メディアは、ノーベル平和賞受賞者の一人であるドー・アウンサンスーチーがかわいそうなことに最後にハーグへ来なければならなかったと揶揄するような見方で既に記事を書いているものもある。ほかの記述にはミャンマーをジェノサイドと連想してとらえるように話を作り上げてしまっているようなものも見受けられた。

ICJでは、原告がOICの代表であるガンビアであり、訴えられた側がミャンマーとなる。個人を訴えるようなものではなく、国を訴えるものだから国民全員に関係がある訴訟になるのだ。この訴訟のために、ミャンマー人たちが団結するようになるならばかなり良い具合になるだろう。

実際は、一つの主権国家として現在ICJで訴えられるまでになったことの原因を再度検討してみるのならば、民主主義への移行過程が困難に陥るように意図的に仕向けられた民族問題と宗教問題の争いという火種が重要点となったと一般的に言うことができるだろう。

この火がジェノサイドという集団殺戮の罪を犯した国家としてICJに訴えられるまでになったことは非常に悲しいものである。

海外メディアとの面談(インタビュー)での答えとして、ミャンマーでジェノサイドが行われたということについてドー・アウンサンスーチーはこれを信じていない。国際社会においてヤカイン州に関する事情が誤解されている、あるいは本来の状況に重きを置くことができないという意味のことを述べている。

いずれにしてもドー・アウンサンスーチーが率いる民主主義政府としてICJの訴訟と同時に国際社会の圧力と向かい合わなくてはならず、ヤカイン州の問題のみならずミャンマー全体の人権状況がより重視されるように行われていると示さねばならないように、民主主義の改革速度をも上げていることを示さなくてはならない。

12月10日、ICJの公聴会を一部のメディアが直接放映し、字幕でミャンマー語翻訳を表示したところ、ドー・アウンサンスーチーの支持者も反対者も含めミャンマー国民みんなが見る機会を得た。ドー・アウンサンスーチーが勝利するように一生懸命祈った。時間がかかるであろうICJの訴訟では、ミャンマーが勝つだろう、負けるだろうというのは難しい。しかしこの訴訟を理由として、政治的に重要な勢力が一つにまとまるよう努力しなくてはいけない。

エディター(2019年12月10日)


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翻訳者:棚澤奈菜
記事ID:5060