(社説)困難な時期に重要なバランス

2020年05月16日付 The Voice 紙
4月14日、世界保健機関WHOは、現在世界全体が直面しているウイルスについて警告を出した。その警告とは、「コロナウイルスは、いつになっても消滅しない可能性がある」というものだ。もしも新型コロナウイルスのワクチンができたとしても、そのウイルスを抑制するためには、極めて多大な努力が必要とされるであろうと述べている。
しかし、消滅しない可能性があると述べているので、実際にずっと存在すると断定することもできない。それと同じように、ワクチンが開発できるとしても、最大限努力してはじめて、ウイルスを抑制できるだろうということは、ワクチンさえ100%頼ることはできないという意味になる。
実際、いつになったら、このパンデミックを克服できるのかということを、断定できるものは誰もまだいない。この感染症に対する経験がない段階では、手洗い、ソーシャルディスタンス、マスク着用といった、基本的な指針に皆が従い、一致団結して打ち勝つことが最善の方法だと考える。
一方で、WHOが警告したよう、コロナが存在し続ける可能性があるので、ずっとロックダウンをしなければならないのか、というとそれも考えものである。いずれにせよ、コロナの危険を予防しながら、社会と経済の活動も止めることは絶対にありえないというべきである。
そのために、感染症と共に、人々の交流の新しい形が生まれるようになるし、経済活動の形も変化するのみである。
「一人一人距離を取る」という、ソーシャルディスタンスの基準は、人々の交流の基本になってきているだけではなく、社会に必要な事項の一つに含まれるようになる可能性がある。「感染していないという保証」は、社会関係の場から、経済、政治の場に至るまで、必要事項の一つのようになってくるかもしれない。
感染の有無の検査ができる人/できない人、ワクチンを接種できる人/できない人、ウイルスに感染したことのある人/ない人の間の格差を含め、国民にワクチンを接種させることができる国とできない国の格差の広がりは、最終的には、世界規模で、新しい世界の秩序、New World Orderさえ出現させる可能性がある。
要するに、発展が遅れたミャンマーの場合、コロナによる変化に直面しなければならない時期において、病気の根絶・抑制と、国の経済が崩壊しないよう、バランスを取りながら対応できるかということが要となるということを述べたいのである。


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翻訳者:黒澤 有希
記事ID:5228