(社説)信じあい手をつなごう

2020年05月23日付 The Voice 紙
2-May-2020

昨日SNSインターネット上に、たくさんの人が興味を持った写真が掲載された。
少数民族の武装組織の軍事指導者とミャンマー国軍上級将校が世界的な感染症予防抑制治療用支援品の寄付式典で一緒にいる様子が見られた写真だ。多くの人が話題にしている写真と言っていいだろう。

軍事的にも政治的にも緊張関係にあった2つの勢力を代表する人物が、友人であるかのように接している様子を見られたため、関心を得たのだ。
感染症到来の際にお互いを敵とみなさずに、良き友という心持で接する行為が見られたのは、喜ばしい出来事であると、明るい側面から指摘できるだろう。

民主化と平和構築に最も重要な点として、相互の信頼が核となるという点は、特別な説明はいるまい。

確かに、民主化への移行が始まったこの10年間のあいだに、新しい国家建設に手を携え参加する機会が得られるよう、重要な基盤が構築されたのは事実であるが、上記の信頼という問題のせいで、有力な政治勢力間が手を繋ぐことが今日まで困難であるのは残念である。

民主主義の本質ということのできる「反対意見に対する許容能力」をミャンマー政治の主要人物をはじめ多くの国民に至るまで、見ることが出来ないのも信頼が足りないからなのである。

そういうわけで、連合の下でまずは両足をそろえて立ち、政治という分野に、初期段階から学びはじめようとする大学生たちをはじめ、政治の大物に至るまで、「自分と似ていない者は敵だ」といった冷戦時代のイデオロギーによって、派閥を作ろうとする方向に傾いている。

実を言うと、今日、ミャンマー人達が手にしている機会は長年待ち望んでやっと(民主化、平等権取得のために、自らの命や汗のみならず家族の人生まで捧げてやっと)手に入れた権利であるのだから、今このとき、信頼に重きをおいて大切に築き上げるべきだ。

信頼と言うのは、急須から水が流れるように口でどんなに休む間も無く言っていたとしても、お互いが実際に手を取り合って働いてこそ、相互理解も得て、親密さも増し、両者の発展につながるのだから、現実に手を繋いで相互に歩み寄ることで信頼を築いていかなければならないということが、ポイントである。

編集者


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翻訳者:KI 石川航
記事ID:5293