(社説)社会規範とソーシャルメディアの力

2020年06月22日付 The Voice 紙
2020年6月22日

先週The Voice Dailyのウェブチームの担当者たちが編集部に緊急の連絡をしてきた。

「風刺漫画1点がフェイスブックに削除された」

フェイスブック上に掲載されている風刺漫画1点をフェイスブックチームがコミュニティ規定と社会基準に相応しくないとして削除したのである。

風刺漫画家はミャンマー国内に不法に入国する人々が隔離センターでの待機をせず、彼らから新型コロナウイルス感染症が広がる危険性を描いた。有刺鉄線を越えて入国した登場人物の後にウイルスがくっついている様子を描いたものである。

しかしフェイスブックチームの視点、または懐疑的視点から見ると、この画像は難民、特にラカイン州のブーディータウン、マウンド―方面に再び入国する難民を揶揄しているかに見え、投稿を削除したということである。

編集部としては、漫画家が国内にウイルスが侵入する可能性のある経路のうち1つだけを示して警告し指摘したに過ぎないという事情を理解しているものの、誤解されたことは遺憾であった。宗教問題、民族問題と肌の色による差別といったデリケートな問題に直面している今日の世界情勢の中では、一層である。

しかしフェイスブックの行動が誤ってると言いたいのではない。フェイスブックとしてはデリケートな問題、言い換えると異なる社会集団の間で問題を生じさせうる問題をそのように適切に処理できてこそ、ごみから城の尖塔が燃えるといった大事をを避けることができるのである。世界中で発生した紛争の中の一部は、予期せぬ、当初は些細な事と思われた問題のせいで発生したのではないか。

異なる社会集団の間で摩擦がないよう、相互に受容可能な社会基準、社会規範などに従うことは、ソーシャルメディア時代の社会に、人として従うべき行いだともいえる。

他方で、そのようにソーシャルメディアのプラットフォーム上で不可欠なものとしては、約束を破る者は誰であれ区別せず警告すること、ときに取り締まることは公平な世の中を作ることにもつながる。普通の新聞はいうまでもなく、世界各地の強力な軍人、文民の頂点の指導者であっても、この規範に従わなければならないのである。

要点を述べれば、ソーシャルメディア時代の影響、権力、力というのは、社会規範がどれほど尊重されるかに応じてその力の度合いが変わるといえる。

編集者(2020年6月21日)


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翻訳者:林美里
記事ID:5365