(社説)コロナ禍という災いの中での新聞

2020年10月25日付 The Voice 紙
新型コロナウィルス感染症の感染者数増加が継続しているため9月中旬から10月23日まで約1か月、本紙の紙媒体での新聞の発行を休止しなければならなかった。新型コロナウィルス第一波が始まった後、感染がみられなくなった4月にも新型コロナウィルスにより我々の新聞の発行は約1か月休止せざるを得なかった。本紙を発行してきた7年以上の歴史の中で一度もこのようにしばらくの間新聞の発行を休止するようなことはなかった。ミャンマーだけでなく世界中を困らせている感染症によりこのようにせざるを得ないのだ。

 新聞の発行は休止したが、直近でミャンマーと社会で起こっているいくつかのニュースを本紙のオンラインSNSページとウェブサイト経由で掲載できた。しかし頼りがいがあると感じられるほど納得のいくものにはならなかった。短時間のみ関心を持つ人がいるような情報と、政府、保健局または何らかの組織の発表したものだけを再び示した情報のようなものだけを叙述することができた。

情報メディア界の言葉で言うなら、宿題を消化するように(きちんと)やってから執筆掲載したような情報ではなく、他の人がしゃべったところで終わってしまうような情報が多かった。ニュースになっている出来事一つ、経過一つにきちんと時間を割いて、調査し、詳細に調べられた情報を出すことが出来ていなかった。感染症により起こった後に続く課題やそのほかのさまざまな難題により、そのようなことをする機会が得られなかった。感染症流行という状態で情報を追わねばならないというのも本当に困難な事態ではないだろうか。

 実際今のようにソーシャルネットワーキングサイトのそれぞれを通じて、一対一、あるいは一対多数で相互に直接つながることができる時代に、他の人がしゃべっただけでは終わらないような事柄はニュースメディアにとってだけでなく国民一人一人にとって非常に重要だ。特に感染症による困難に陥っているようなときには一層注意すべきである。

 誰の言葉や書いたことが正確で誰の文章が間違っているか判別するのはメディアやニュースのことを理解していない人にとっては簡単なことではない。選挙が近づいており、感染症のせいで社会経済的問題が多くなればなるほど、間違ったニュースが一層でてくるということに特別な注意を払う必要がある。

 今は感染症によりミャンマーだけでなく世界で大きな変化が起きている。明らかになっていることは、多くの事業がオンラインプラットフォームを通じて行われているということだ。それぞれの政府、また政府内での議論から、教育や一部の医療問題を含め、選挙運動までオンラインは本当に不可欠となっている。

 重要なのは、感染症によるどんな変化が起きても道徳心を持ち続け、自分たちの仕事を最大限に行い、十分に責任を果たすようにすることだ。本紙としては、ジャーナリズムで最善を尽くすよう、引き続き行っていく決意をしたことを述べたいと思う。

編集者(2020年10月24日)


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翻訳者:藤本有理沙
記事ID:5527