(社説)2020年選挙に勝利したい人へ

2020年11月02日付 The Voice 紙
間も無く開催される2020年選挙に多くのミャンマー国民が関心を持っている。総選挙であると同時に、新型コロナウイルスが蔓延している時期に開催されるという点だけでも興味深い点だ。

大政党の支持者は、落ち着かずにいる。コロナ禍という困難な状況にあって、勇気を出し支持している政党が選挙で勝利することができるだろうか、または、選挙で敗北しなかったとしても、政府を樹立できるまでの状況になるのだろうか、というように落ち着かないままでいる。本誌も選挙に対して落ち着かない。誰が政府を率いるとしても(どんな政党が政権を握るとしても)、期待が出来るということだけでなく、より現実に即した良い結果を実現できる人や、国家発展のために実現できることを口にし、堅い約束をできる人たちが必要だとも信じている。

現実を見てみると、ミャンマーの民主主義への旅というのは、もはや出発したばかりという状況ではない。もう丸10年になる。旅も目的地へ到達すべきほどの時期に達している。2015年に地滑り的勝利をした現NLD政権としても、次の(2回目の)5年も統治機関を運営できるよう、十分に準備をしているだろう。

各メディアの紙面上で見受けられる国民の声によく耳を傾けてみると、ドー・アウンサンスーチーを全面的に信用していて、NLDが政権を握った過去5年間の中で改革への道程が思ったほど進まなかったということに関しては、改憲問題も含めて過去長い間深く根付く古い政治的体質のせいだ、と信じている様子がわかる。

これも正しいと言えば正しいことである。半世紀ほど権力者の元でやりたいようにやっていた社会にとって、標準的な民主主義を体系的に実現する、民主主義という枠組みを作るということは、短期間ではどうやっても出来ることではない。しかし、専制的制度に反対しながら独裁者のような行いを繰り返さないこと、そして民主主義を構築しながら民主主義に反する行いをしないということを、ミャンマーという大きな船を操縦しようと尽力する全ての人々が気をつけないといけない。

「椅子(議席)」の獲得に関して言うと、多くの人々がよく言う2種類の言葉がある。「自分自身が運転すれば、より良い」という言葉と「今運転が上手くいかないのは、前に運転していた人たちのせいだ」という言葉だ。一つ目は実直さの表れた言葉で、2つ目は言い訳がましさの表れた言葉であるということを読者の皆さんは知っているはずだ。本誌としては、言い訳がましい言葉よりも実直な言葉だけを耳にしていきたいと思っていて、真の実直さによって国家の問題に取り組んでくれる良き政治家が2020年以降、以前にも増して多く出てくるよう願っている。

編集者(2020年11月1日)


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翻訳者:田中 皓也
記事ID:5543