アメリカ総選挙とインドネシア政治の類似性、トランプの演説はプラボウォを模倣?

2020年11月07日付 Kompas 紙
バイデン氏とトランプ氏
バイデン氏とトランプ氏
ワシントンDC KOMPAS.com配信

インドネシアでの政治の状況に似ているといわれるアメリカ大統領選の様子は、初めはオーストラリアABCのワシントン支局長であるデイヴィッド・リプソン氏によって伝えられた。

「まるで現在のインドネシア政治のようだ」とリプソン氏は去る11月4日、ツイッターのアカウントを通して書き込みをした。
>Feeling like Indonesian politics rn
— David Lipson (@davidlipson) November 4, 2020

その後まもなくその投稿はオーストラリア国立大学の文化歴史言語学部のシニアチューターであるタプセル氏によってリツイートされた。

タプセル氏は、「この状況は落選後のトランプ氏が(バイデン次期大統領によって)国防大臣に登用されないなら、まだそこまで似ていないだろう」と書き込んだ。

「その通りである。しかしながら、トランプが最終的にバイデン政権で国防相にならないかぎり、そこまでインドネシアの政治に似ているとは言えないだろう」とタプセル氏はツイートした。
>Absolutely. But it's not truly Indonesian politics unless Trump ends up Biden's Secretary of Defense https://t.co/cVVTEtQCQ9
— Ross Tapsell (@RossTapsell) November 4, 2020

タプセル氏はオーストラリア国立大学のインドネシアプロジェクトとニュース/分析サイト・ニューマンダラに参加している。アジアスケープジャーナルによると同氏はデジタルアジアの編集会議にも参与している。

アメリカ大統領選挙とインドネシア大統領選挙の状況を比較するツイートも国際戦略研究所(ISS)の研究者であるアーロン・コネリー氏からも寄せられた。

コネリー氏は以前オーストラリアのシンクタンク・ローウィー研究所で東南アジアプロジェクトのディレクターを務めたこともある。

「しかし、バイデン氏は昨年インドネシアのジョコ大統領によって達成された世界大統領選挙最多得票記録の85,607,362票に到達することはないだろう」とコネリー氏はツイートした。
>But Biden won’t touch the record for most votes in a presidential election worldwide, which was set by President Jokowi in Indonesia last year: 85,607,362. https://t.co/NVMJYAQoLw
— Aaron Connelly ???? (@ConnellyAL) November 4, 2020

一方、インドネシア社会と文化の研究を行ってきた文化人類学者のケリー・スワジー氏は、トランプの演説はプラボウォに似ていると述べた。

「アメリカ大統領選挙について私が思いもよらなかったこと:現職者は2019年のインドネシアの選挙のプラボウォからスピーチを取ったこと」

ガジャマダ大学の宗教・異文化研究センター(CRCS)の講師である同氏は、「幸いなことに、インドネシアの場合、公的機関と政府機関はプラボウォの主張の正確さのレベルに対して、民主的に反論することができた(ちなみに、プラボウォは勝てなかった)」と述べた。

「投票が完了する前に選挙に勝利したと主張するトランプに対する、アメリカ国民の批判はどうだろうか」と同氏は付け加えた。

「トランプの主張は2019年インドネシア大統領選挙の政情と似ている?」

よく知られているように、ドナルド・トランプ大統領は票数の集計が終了していないのにも関わらず、2020年アメリカ合衆国大統領選挙に勝利したと主張している。

まだ完了していない郵便での投票の集計を中止するため、トランプは最高裁に持ち込むと語った。トランプは根拠無しに、不正が発生したと主張する。

「このことはアメリカ国民に対する詐欺である。我が国を侮辱している」と、去る11月4日のAFPの報道によるとトランプ氏はホワイトハウス内でのスピーチで述べた。

トランプ氏の主張は、2019年大統領選挙におけるインドネシアの政治情勢を国民に想起させる。当時、大統領候補であったプラボウォ・スビアント氏は、ジョコ氏の勝利を正確に示したいくつかの出口調査実施団体がいたにも関わらず、自身が大統領選挙に勝ったのだと主張した。

プラボウォ氏とその支持者は、大統領選挙に不正があったとして、憲法裁判所に訴訟を起こした。

しかしながら、プラボウォ氏の訴訟は敗訴となった。にも関わらず、プラボウォ氏は最終的にジョコ大統領に防衛大臣として任命されたのであった。


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翻訳者:村瀬明日香
記事ID:5574