(社説)2021年に国家の先頭に立つ人たちへ(Vol.8, No.191, 2021.1.14)

2021年01月14日付 The Voice 紙
 今日ミャンマーが直面している諸々の対立や感染症に起因する経済問題を解決すること、言い換えれば国家建設を推進し発展させるためには、秀でた聡明さと誠意を兼ね備えた人々が一致協力して活動できることが極めて重要だと考える。国家と国民に対して本当の意味での誠意を持つ人々が協力して、ひたすら誠実に仕事に取り組むことである。

 より率直に言えば、軍部出身者であろうとなかろうと、かつての政治囚であろうとなかろうと、武装蜂起経験者であろうとなかろうと、自己の利益を鑑みず国家建設に誠意をもって取り組んでくれる人が現れることが重要である。

 特に現政権与党を含む民族政党の市民政治家たちと、軍側の人々(国軍議員)の関係は、2021年において大変重要である。過去5年の間に、両者間で良好に信頼し合う場面は一定程度あったと解釈できるが、所属勢力の影響や我が政党、我がグループこそはという考えがあるために、双方の勢力に属する人物が、国民の問題に取り組む際に、思ったほど捗らないままであったというのは明白だ。

 特に、歴史を記す文書の中に自分と自分たちの政党もしくは組織の名称を載せることを優先して、それにばかり力を入れている様子が見受けられ、新たな民主主義国家の建設どころか、内戦を終わらせることすら簡単なことではないと言わねばならない。「自分こそ王子であって自分と異なる勢力は悪役である」という考え方がミャンマー政治の有力な勢力間に存在するならば、帝釈天が降りたって調整したとしても、目標に到達することなどできはしない。

 よって、ミャンマーの政治にとって重要な1年である2021年に緊急にお願いしたいことは、ミャンマーの民主主義への正しい道筋から外れてしまわないように、一人ひとり、異なる側の双方が信頼や理解を引き続き構築していってほしいということである。さらに、間違いなく直面しなければならなくなる多くの問題を解決する際に、行政、立法、司法などに関する最高権力を扱うことを許された者として、国家と国民が前進できるような環境を生み出すことだけに、共に協力して取り組んでいくことが極めて重要であるということを述べておきたい。

編集者(2021年1月13日)


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翻訳者:石川航
記事ID:5717