(コラム)新たな日の到来

2021年04月03日付 その他 - ミャンマーハープメディア 紙

2008年憲法を廃止とCRPHが発表すると同時に、人々は自分たちを二級市民(注1)という状況に陥るよう計っている緑色の書籍(憲法書)に火をつけ、焼却し、灰になるとともに、市民が待望した新たな日の夜明けが来たのである。ササ医師の「新しい日が来た」という呼び声が国中に響き渡った。

若き殉教者たちの葬儀が日々行われているような国に暮らす人々にとって、長年の願望が実現するCRPH主導の統一政権がいよいよ出現する。今日まで、市民の革命に538名が命を捧げてきた。国中に広がった抗議行動は、引き続き行われており、さらに、2名が死亡したとのことである。

DVB(民主ビルマの声)によれば、カチン独立軍(KIA)もクーデター政権に忠誠を誓う軍に対して再度攻撃を行い、20名が死亡、軍用トラック4台を破壊したとのことである。タイ国境の町メーサイではタイ警察が約6,000丁のM16ライフルと手榴弾100個をタチレクに運び込もうとしていたところ差し止められたとイラワジは報道している。

国連を含む各国大使館の館員たちがミャンマーを去りつつある。市民が憎んでいる中国大使館は全く動きはなく静かである。「パイプラインを保護する」ため、中国軍がムセー市の、国境沿いにあるチェーガウン(注2)のあたりに集まっているとの情報も出ている。

ドミニク・ラーブ英国外務・英連邦大臣によれば、ミャンマーの軍隊は、クーデター後二か月で子供を含む罪のない民間人を恣意的に殺害したことで最低の行為を行っているとみなされている。また、軍が所有するミャンマー・エコノミック・ホールディングズなどに経済制裁を課したことも発表した。

そうした違法行為を国連安全保障理事会に報告する取り組みに対して、50万UKポンドの追加拠出も定まった。英国の国連大使は、ビルマ軍を満場一致で「非難」することができたが、自分たちの側としてはさらなる制裁についても議論している最中であると述べた。しかし中国はいかなる強制的な手段も受け入れなかったことも述べた。

軍は報道各社を敵とみなして銃撃や逮捕を行っており、その空白を、CJとして知られる市民ジャーナリストたちが埋め、必死で報道を追い写真などで記録している。国連のような国際的舞台ではクーデター側は全く立場を失っており、その目論見は敗れ、CNNのような報道機関を国内に招聘し、自らが述べたいことを放送できるように計画した。だが報道機関というのは両刃の剣である。
ジャーナリストの真の責務は独裁者に利益をもたらすことではなく、国民の胸の中にある声を世界中の人々が聞こえるように伝えることである。

ヤンゴンでは夜間外出禁止令の時間帯にあたる午前2時すぎ、軍が所有する2つの店舗(注3)が同時に火事で破壊された。軍所有の2つの店舗の火事は、(軍に反対する市民の)暴徒の手によるものだと(現在訪問中の)CNN特派員に対して示すものだという非難も生じている。

これはありうることだ。放火されたというガンダマーホールセールの周りには、軍隊が取り囲んでいたからである。クーデターを起こした指導者たちは、どれほど残虐に取り締まろうと、2か月に至るも、市民の蜂起をいかようにも鎮めることはできなかったが、それと同じく、軍側はただやみくもに動いているような状況になってきている。手元に現金が全くなく、心中の懸念を外見的に取り繕うというありさまである。

海外の新聞は、現在のミャンマーの経済状況を凍結どころか「氷結」と呼ぶものまである。現在、戦闘を除けば、財務、貿易、外国投資、製造、外交のすべての分野で危機的状況に陥っている。このように、国際社会で物乞いのような状況に陥るよう至らしめたとすれば、それは(市民側の)勝利以外の何ものでもないだろう。

ミンアウンフラインは、呪術や精霊に頼る人物の厄払いの力で、あるいは、武器の力を借りて、現在の危機から抜け出せると信じている最中である。軍とうまくやっていくことが可能だと見通しを誤り、気持ちが大きくなっていたすべての人々も、こうした人物はどうにも付き合うことができない相手だと徐々に気づき始め、哀れにも今や困っていることだろう。問題の本質を見極めず対処法しか理解していないミンアウンフラインの言葉ばかり耳に入れている軍将校たちは、ああしてみたらいいだろう、いやこうしてみようかと右往左往しており、現在はインターネット業者に対して、なんの理由も示さず、ワイヤレス・ブロードバンド・サービスの停止を命じる文書を出すところまで行っている。

これは、国民に対して、気の向くまま力の誇示を行う意図であり、それぞれの地域をそれぞれの市民が守れるよう、あらかじめ準備が必要であろう。

CNN特派員が飛行機に乗る前からこうしたニュースが出ているのである。CNNはそのようなやり口を止めるという意味でも、ミンアウンフラインとのインタビューを報道せずに、断ち切るべきだ。

ミンアウンフラインは500名もの人間を殺害し、宮殿を去るのだろうか。または1000名に至るまで殺すのを座して待つのだろうか。ともあれ彼の選択はそのぐらいしかないだろう。シリアでアサド大統領の地位が安定しているのはミャンマーの場合とは全く異なる。アサドは反独裁主義の運動に対し、宗教過激派によるテロリズムへの闘いへと、うまく変換しえたからである。

猿が木炭を拾ったかのように、軍がこうして大騒動している時期に、連邦議会代表委員会(CRPH)は、政府の責務を、粛々と果たしていっている状況がみられる。しかし、彼ら全員の肩に国家を再建するという極めて大きな責務が課せられているのである。

フラソーウェ
Myanmar Harp 2021/4/2 12:05

注1 原語ではဒုတိယ နိူင်ငံသား(dutiya nainngantha)。軍以外の市民を指していると考えられる。
注2 姐告。ミャンマー側と中国を繋ぐチェックポイントの一つ
注2 ガンダマーホールセールとルビーマートを指す


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翻訳者:ビルマ語メディア翻訳班(TK)
記事ID:5834