首相、3つの観点でのASEAN米国関係促進を提案

2021年10月26日付 VietnamPlus 紙
ファム・ミン・チン首相はハノイにおいて第9回ASEAN―米国首脳会議に出席
ファム・ミン・チン首相はハノイにおいて第9回ASEAN―米国首脳会議に出席
首相、3つの観点でのASEAN米国関係促進を提案


ファム・ミン・チン首相は、安全保障、経済社会復興、包括的で持続可能な開発という3つの観点でのASEANと米国の戦略的パートナシップ関係の促進を提案した。



10月26日の夜に、ファム・ミン・チン政府首相はベトナム代表団を率いて、第9回ASEAN―米国オンライン首脳会議に出席した。

ASEAN各国の指導者、ジョー・バイデン米国大統領及びASEAN事務局長が今回の会議に参加した。

会議において各国は、これまでの双方の多面的な協力の中で積極的な進展が見られたことを歓迎し、COVID-19の効果的な制御のための連携と持続可能な復興に向けた相互扶助を優先させることで一致した。

ASEAN各国のリーダーは、米国が医療能力の向上支援とワクチン供給の継続を約束したことを歓迎し、同時にCOVID-19のワクチンと治療薬の研究や開発、生産へのさらなる協力を呼びかけた。

ジョー・バイデン米国大統領は、ASEANとの関係を重視することを約束すると述べ、人口10億人以上の地域の将来性からもインド太平洋の安定と繁栄からしても、ASEANと米国の関係は特別重要だと強調した。インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)で言及されている法令や価値観、原則に基づいて、地域の構造と秩序を構築する努力におけるASEANの中心的役割を支持するとした。

ジョー・バイデン大統領は、これまでにCOVID-19対応努力のために2億ドルの財政支援を行うとともに、ASEAN地域内の各国に4,000万回分のワクチンを供給しており、引き続き感染症のため各国を支援し、ASEAN-米国健康な未来イニシアティブを展開すると述べた。米国はASEANとの協力強化に向けた新たなイニシアティブに対して、1億200万ドル相当の計画を発表する見込みだ。

地域及び世界の複雑な状況変化に直面し、双方は地域の平和、安全保障、安定の維持の重要性を再確認した。

米国は、南シナ海に関するASEANの原則的な立場を支持すると述べ、ASEANが協力、対話、信頼構築を促進し、DOC宣言の十分かつ効果的な実施を確保し、1982年の国連海洋法条約に基づく実効的で効果的な南シナ海における行動規範COCを構築することを歓迎した。

米国大統領は、対話や和解を促進し、状況を安定させる解決策を見つけるためにミャンマーを支援したASEANのこれまでの努力を歓迎した。

会議での発言で、ファム・ミン・チン首相は安全保障、経済社会復興、包括的で持続可能な開発という3つの観点でのASEANと米国の戦略的パートナシップ関係の促進を提案した。

ファム・ミン・チン首相は、米国を含む主要国の積極的な参加が地域内の平和や協力、発展及び安全保障を確保するために重要な要素だと述べた。

首相は、ASEAN地域の均衡に影響を及ぼす可能性のある和解や合意に関して、十分な共有と協議を行うことを要請し、それによって疑惑を抱くことを避けるとともに信頼関係を維持できるという考えを示した。

写真:ASEAN各国及び米国のリーダーがオンライン形式での第9回ASEAN-米国首脳会議に参加した。

首相は、米国が多国間の協力を積極的に促進し、デジタル経済の発展やグリーン開発、気候変動をはじめとするグローバルな課題に対応したことを高く評価した

ベトナム政府の指導部は、アメリカがベトナムのCOVID-19対応を含むASEAN各国に対して適時に実用的な支援をしてくれたことに感謝の意を表した。また、首相はハノイにある疾病予防センター東南アジア地域事務所を通じて、緊迫した医療体制に対する早期警告能力の向上への積極的支援を米国に要請した。

首相はまた、米国のワクチンや治療薬の製造企業に対して、ベトナムを含むASEAN各国にワクチンの購入契約を迅速に供給するよう要請した。

回復に言及し、首相は貿易と投資の流れの回復に向けた協力を促進するとともに、相互の市場に再びアクセスできるよう企業に対して円滑な条件を整える必要があると強調した。同時に、引き続きASEAN各国の発展格差の縮小を支援し、メコン-米国パートナシップやASEAN統合イニシアティブなどの枠組みでのプロジェクトやプログラムを通じて地域を結び付け、ASEAN共同体を完成させる過程において効果的な支援を行うよう米国に要請した。

首相は、南シナ海を含む安全保障のホットスポットに対し建設的アプローチをとり、責任ある態度をとり、重要な役割を果たし、リスクを解消し、安定と発展に貢献することを確認した。

首相は、法律を尊重して、あらゆる衝突や相違は外交措置を通じて、また海上での行為行動を調整する枠組みである1982年のUNCLOSなどの国際法に基づいて、平和的に解決されるという精神に基づき、平和や安定、安全保障、安全、南シナ海上の航海や航空の自由を保障する中で米国が積極的に参加しASEANと協力することを期待していると述べた。

首相は、米国が抱いている懸念を共有し、ASEANがミャンマーに対する持続可能な解決策を見つける役割を果たせるよう、支援をし続けてほしいとした。

会議の終了にあたり、双方はASEAN内のデジタル変換の促進とデジタル格差縮小のためのデジタル開発に関するASEANと米国の指導部による宣言を採択した。


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翻訳者:松倉むつき
記事ID:6174