気候変動は多くの国のGDPを大幅に引き下げる恐れがある

2021年11月08日付 VietnamPlus 紙
イラクのアルフワイズにおける長引く干ばつにより乾燥した河床(写真:AFP/TTXVN)
イラクのアルフワイズにおける長引く干ばつにより乾燥した河床(写真:AFP/TTXVN)
気候変動は多くの国のGDPを大幅に引き下げる恐れがある


パリ協定における野心的目標によって地球の温度上昇は1.5℃に制限されたが、特に脆弱な65か国のGDPは2050年に12%減少するだろう。



非政府組織のクリスチャンエイド(英国)が11月8日に発表した報告書によると、地球温暖化が2.9℃まで進んだ場合、世界で最も脆弱な65か国は2050年までに国内総生産(GDP)が平均20%減少し、2100年までに64%減少すると見られる。

クリスチャンエイドによる上記の報告書は、英スコットランドのグラスゴーで開催されている国連気候変動枠組条約第26回締約国会議において発表された。

報告書によると地球温暖化が1.5℃に抑制できたとしても、気候変動に関するパリ協定で示された野心的目標に従えば各国のGDPは2050年までに12%減少し、今世紀末には33%減少するとされる。これまでに、地球の表面温度は19世紀末と比べて1.1℃上昇した。

クリスチャンエイドの報告書はまた、地球温暖化によって、世界の3分の1以上の国が熱波や干ばつ、洪水が一層激しくなり、多くの人々が死に至る状況に対処していかねばならず、これらの国々は気候変動に対する対応力を構築するための支援を早急に受ける必要があると示唆した。

ベルリン(ドイツ)のフンボルト大学の研究チームリーダーを務めるマリア・アンドレジェヴィク女史は次のように語った。「南半球の国々における持続可能な発展可能性が深刻な被害を受けている。我々が提起する政策を選択することは、現在、さらなる危害を防ぐために重要な役割を果たしている」。

最も影響を受ける10か国のうち8か国がアフリカにあり、2か国が南アメリカにある。これら全10か国は2100年までにGDPが70%以上減少し、地球の温度上昇が1.5℃に抑えられたとしても40%減少する恐れがある。

スーダンは最もGDPが減少するリスクがあり、気候変動が起きなかった場合と比べて2050年には32%減、2100年には84%減少すると予測されている。

こうした中、海面上昇によって台風の発生頻度が高まるため、島国は特に被害を受けやすい。上記の報告書は気候変動による損害を減らすための解決策については言及していない。

現在までに、先進国は貧困国が気候変動に対処できるように最適な財政支援を行うことを約束している。

ケニアのナイロビに拠点を置き、エネルギーコンサルティングを行うPower Shift Africaの代表であるムハマド・アドウ氏は、アフリカ地域は気候変動に貢献することが最も少ないが、一方でその最も深刻な影響に苦しんでいることは不合理だと強調した。


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翻訳者:松倉むつき
記事ID:6198