刑務所と軍尋問所地獄に向き合う女性たち (1)

2022年05月13日付 その他 - ミャンマープレスフォトエージェンシー 紙
2022年5月13日 著者:ラージー(評論)

刑務所内で空白の紙に走り書きした1通の手紙が先日見つかった。
春の革命から1年以上経過する中、政治的活動で逮捕拘留されている人々が刑務所から外へ送った手紙がしばしば届いており、革命活動を活性化するよう促すことともなった。

政治犯とみなされ逮捕された30名の女性が刑務所に移送され、刑務所内で抑圧暴行を受けているとが書かれた上記の手紙が、5月の第1週に報道機関に届いた。

「刑務所に移送された人たちを、一つ星の女性巡査が殴り、部屋から連れ出した。警棒で殴ったのだ」と書かれた上記の手紙は、政治犯として収監されている人々のインセイン刑務所内での状況を述べているものだ。

軍によるクーデターの後、政治活動に関与した女性たちは、テロリスト軍の不当逮捕や抑圧拷問などをうけて、一部は死刑や終身刑などの刑罰までも宣告された。

政治的活動に関与した女性たちが逮捕時に暴行抑圧を受けたが、それと同様に軍尋問所では、非人道的な拷問が行われていたということがわかる。

軍尋問所だけでなく、刑務所へ移送されたときも、刑務官たちや他の罪状で服役している女性により、虐待や抑圧を受けているという。

政治的活動に関与しマンダレーのオーボ刑務所内に投獄されたドー・エーミンもその1人であった。

軍事独裁政権反対のデモに前線で参加していた彼女は、2021年に軍評議会の軍隊によって暴行のすえ投獄され、2ヶ月以上刑務所で過ごしていた人であった。

デモに毎日出かけていたドー・エーミンたちに対して、テロリスト軍評議会軍人たちがやってきて逮捕に動くという情報を得たその日は、彼女が見回りをする日であった。

早朝、見回りに出ようとする直前に、そうした情報を得て、他の人とも連絡を取り、身を隠すよう警告した。

彼女自身も、避難場所へ逃げ、残った2人の女性について振り返って話した際、テロリスト軍評議会の軍人たちが彼女を見かけたことで捕まったのだ。

「4人がかりで捕まえに来て、私は1人格闘した。結局逮捕された。電話を調べられ、殴られた。銃の台尻でも殴られ、みぞおちと頬を拳で叩かれた」と、逮捕された際の状況をドー・エーミンは答えた。

その後、彼女が連行される道すがら、砂袋を担がされた際に、子宮の病気で担ぐことができないというと、腹部を脚で蹴られた。

ドー・エーミンは車で連行された後、目隠しをして、ある部屋へ連行され、石の上に座らされて両手を挙げたままにさせられた。連行された道すがら、全身を殴打され、蹴られたと年齢40代の彼女は言った。

「石の上に座り手を挙げたままにさせられ、疲れて降参すると殴られた。私はおさげを編んでいたが、その髪を強く引っ張られた。殴られて倒れ込むと、顔を靴で踏みつけられた」と、軍尋問所内で虐待された様子を彼女は話した。

彼女は40代の既婚者、子供もいる母親であったが、尋問では軍人たちに性的いやがらせを受けたと彼女は言った。「まるでからかうかのように抱きしめられたり、身体を撫でられたりした」とドー・エーミンは言った。

その日一日食べることも飲むこともできずに虐待されたのち、真夜中頃にドー・エーミンは警察署に連行された。
親族らは警察署で待っていたが、そこの警察官がドー・エーミンは到着していないと言ったので親族らはいてもたってもいられなかったとも言った。

ドー・エーミンが捕まって二日経ってやっと警察署に拘留されているある弁護士が電話をこっそり貸してくれたので親族らと連絡をとることができた。

その後、505条(a)項、武器、非合法組織と連携した罪で訴訟され、オーボー刑務所の中から裁判を受けなければならなかった。

軍のクーデター後、1年の間にドー・エーミンを含む女性1622人が逮捕され、96人が有罪判決を受けたことを、ビルマ女性連盟(BWU)が発表しているクーデター闘争期の女性の状況に関する報告書のなかで明らかにした。
拘束された女性たちはテロリスト軍評議会の軍尋問所で拷問されたほか、性的暴行などを受けたことも報告書で述べられている。

軍尋問所に送られた女性1名は、その父親の前で不適切な性的暴行を、軍の隊員が犯したこともビルマ女性連盟による報告書が明らかにしている。

そのほか軍の尋問所に来ていた他のある女性に、軍の隊員が暴力を振るって酒を飲ませ、レイプしようとしたとも書かれている。

また、軍尋問所に来た女性1名は、酒を飲んで自分自身で命を絶とうとしたということを鑑みても、軍評議会の軍による女性たちに対する非人道的な扱いを浮き彫りにしている。

1988年以降の刑務所、軍尋問所で女性の囚人たちは最悪の状態で暴行を受け、性的搾取もあったが、それと同様に2021年春の革命後期に逮捕された女性の革命家たち、女性の政治犯も迫害を受けていたことをビルマ政治囚支援協会(AAPP)のある担当者も述べた。

「こうしたなかで、過去の権力者たちが行った手段と比べ、今日不法に権力を奪取したテロリスト軍集団が行った迫害は、さらに悪質であることがわかっている」ともその人物は述べた。

「刑務所と軍尋問所地獄に向き合う女性たち (2)」に続く


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翻訳者:C.O, M.T.T., K.Y.M
記事ID:6355