首相:ベトナム人労働者に最善の生活・労働条件を整える

2023年12月16日付 VietnamPlus 紙
【写真①】日本で働く技能実習生や労働者の代表者たちに贈り物をするファム・ミン・チン首相(ベトナム通信社)
【写真①】日本で働く技能実習生や労働者の代表者たちに贈り物をするファム・ミン・チン首相(ベトナム通信社)
首相:ベトナム人労働者に最善の生活・労働条件を整える
Thủ tướng: Tạo điều kiện sống và làm việc tốt nhất cho người lao động Việt Nam


ファム・ミン・チン首相は日本とベトナムの関係機関が相互に良く連携し、ベトナム人労働者にとって最善の生活・労働条件を整えることを期待している。



ベトナム通信社特派員によると、日本で行われる日本ASEAN友好協力50周年特別首脳会議への出席や二国間の行事の開催といった行程の中で、12月16日午後、ファム・ミン・チン首相は東京で行われたベトナム日本人材協力フォーラムに出席した。

このフォーラムは、ベトナム労働・傷病兵・社会問題省、ベトナム計画投資省、および在日ベトナム大使館によって主催されたものである。

フォーラムでは、両国の各省庁や関係機関のトップらが、ベトナムと日本の人材協力の発展の歩みを振り返ると同時に、両者の潜在力、強み、ニーズ、可能性を取り上げ、人材協力をより効果的に推進するために双方が関心を持つ問題について意見交換を行った。

ベトナム労働・傷病兵・社会問題省によると、30年間の人材協力を経て、ベトナムと日本の人材協力は多くの分野で発展を遂げた。2023年の1年間で日本に渡航する人数(約8万5000人の見込み)および日本で働いている人数(30万人以上)共に、ベトナム人労働者の数は過去最高となる。

ベトナムはまた、日本に技能実習生や労働者を送り出している15カ国のうち、年間当たり日本に渡航する人数と、日本で働いている人数が共にトップとなっている。

フォーラムでスピーチを行ったファム・ミン・チン首相は、フォーラム開催の意義を高く評価し、ベトナムと日本の友好協力関係は50年にわたり、「心と心のつながり」ともいえる高い政治的信頼と密接な結束力によって強力かつ包括的、実質的にあらゆる分野で発展してきており、そこには人材協力の分野における繋がりもあるとし、また、越日関係100周年の折には、両国間の協力や友情、繋がりは今日の何倍にもなるものと信じていると強調した。

ファム・ミン・チン首相は、50万人以上が暮らし、30万人以上が働き、現在も増え続けている在日ベトナム人コミュニティーは、日本の社会経済の発展に貢献しており、両国・両国民の強固な関係を繋ぐ架け橋だと考えていると述べた。

ファム・ミン・チン首相は、今日のようにグローバリゼーションと国際統合がますます深化するこの時代、特に第4次産業革命において、発展を望む国々は科学やテクノロジー、イノベーションに依拠しなければならず、そこでは人材が重要な役割を果たし、決定的な要素となっていると述べた。新しい時代の労働者は、適応する専門性や能力、品格、健康を備え、現実の状況のニーズに対応、適応する必要がある。

同政府首脳は、ベトナムは発展途上国であり、テクノロジーや科学技術の嵐のような発展スピードに適応するためには、日本との人材協力活動を通じたベトナムの人材資源の開発が必要であり、これは実際の社会状況に対して実質的かつ適切な方向性を持つ必要があると強調した。

ファム・ミン・チン首相は、半導体や情報技術、オートメーション、バイオテクノロジー、農業テクノロジー、地下排水処理システム構築、都市環境など、日本が優位性を持つ分野において、技術を有している、高い水準にある、もしくは時代の発展に乗り遅れまいと学ぶ意欲のある労働者を採用・派遣し、ベトナムにおける当該産業の発展に貢献すべく日本での実務を通じて人材を育成することを提言した。

ファム・ミン・チン首相はまた、外国人労働者の育成と受け入れの分野における日本の現行の法政策を改正するとともに、効果的で持続的で双方にとって真に「win-win」な人材協力活動を推進するべく、日本はベトナム人労働者を含む、国際的人材の育成において先頭を行くべきであると提言した。

ファム・ミン・チン首相は、多くのベトナム人労働者は日本を第二の故郷であると考え、高い収入や、学びや生活の質の向上の機会、日本文化の特色ある現代的な環境での生活など、より良い未来への多くの希望を胸に、家族や親しい人々と離れて日本に働きに行くことを受け入れているのだと話した。

そのためにファム・ミン・チン首相は、日本の関係機関とベトナム労働・傷病兵・社会問題省、および在日ベトナム大使館が相互に良く連携し、ベトナム人労働者にとって最善の生活・労働条件を整え、リスクの発生と不平等を低減し、良好で安全で親しみやすく文化的に調和のとれた環境を構築することで
労働者が安心して学び、働き、日本の法律を守れるよう、そこから彼らの日本での法律違反を減らすことが出来ることを期待しているとした。

ベトナム労働・傷病兵・社会問題相およびベトナムの関係省庁は、在日ベトナム大使館とより緊密に連携し、法務省、厚生労働省などの日本の関係機関とも積極的に協力しながらボトルネックを解消し、ベトナム人労働者の所得税や住民税の減税の問題など十分に着手されていない点を解決し、両国間の人材協力活動をさらに促進し、人材の付加価値をさらに創造し質を向上させると同時に、経済、文化、社会などの分野にわたって協力関係を拡大すると述べた。

ファム・ミン・チン首相はまた、日本の政府、関係機関、地方自治体に対し、ベトナム国民の入国ビザ免除を目指してビザ支給手続きの条件を整備・簡素化するよう提言した。これによって両国間の観光協力を促進し、早期にスタディツアーを展開し、日本に住み、学び、働く50万人近いベトナム人コミュニティーに関心を持ち、住みよい環境を整備し、彼らが両国間、両国民間の懸け橋になり、協力関係をさらに深めることができるとした。

ファム・ミン・チン首相は、日本で働き、学ぶ、ベトナム人技能実習生やベトナム人労働者に対し、日本で生活し、働く機会を最大限活用し、この先進国で多くの知識や技能を学び、日本人の真面目でプロフェッショナルな働き方や態度、良き道徳心に触れることで、ベトナムに帰国して経営者や熟練労働者となった際には、持続的な国の成長に貢献し、同時に日本の法律を厳格に順守し、常に道徳を実践し、楽しく健やかな生活を送り、ベトナムの国と国民を宣伝し、ずっとみずみずしく幾世代にもわたって持続して発展する越日関係の構築に貢献することを期待し、信じていると述べた。


【写真①】日本で働く技能実習生や労働者の代表者たちに贈り物をするファム・ミン・チン首相(ベトナム通信社)
【写真②】ベトナム日本人材協力フォーラムにおいてスピーチを行うファム・ミン・チン首相(ベトナム通信社)
【写真③】ファム・ミン・チン首相と、日本で働くベトナム人労働者(ベトナム通信社)


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翻訳者:奥山和貴
記事ID:6830