未来に向かう在日ベトナム知識人コミュニティの結束

2023年10月15日付 VietnamPlus 紙
【写真②】ベトナム・日本外交関係樹立50周年と50年間のベトナム研究について発表する古田元夫教授(TTXVN=VNA)
【写真②】ベトナム・日本外交関係樹立50周年と50年間のベトナム研究について発表する古田元夫教授(TTXVN=VNA)
未来に向かう在日ベトナム知識人コミュニティの結束
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ファム・クアン・ヒエウ大使は在日ベトナム知識人フォーラム2023における「時代の流れ~未来に向けて」をテーマにした討論が2国間の協力のニーズをより明確にすると確信している。



10月15日、在日ベトナム知識人フォーラム2023(Vietnam summit in Japan 2023)が東京大学で開催された。これは2年に1回開催される一連のフォーラムであり、在日ベトナム人学術ネットワーク(VANJ)、在日ベトナム人専門家コミュニティ(VPJ)、在日ベトナム学生青年協会(VYSA)の3つの代表的な組織によって設立されたものである。

ベトナム・日本外交関係樹立50周年の節目を迎えた今年のフォーラムは、在日ベトナム知識人フォーラム2019と2021に続き成功が期待された。

フォーラムの開会挨拶で、ファム・クアン・ヒエウ在日ベトナム大使は、近年在日ベトナム人コミュニティは急速に発展していること、現在は50万人近くとなり、在日外国人コミュニティの中で2番目に大きいことを協調した。

この中には多くの若い世代や、この15年から20年間に日本で学び、研究し、働いてきた多くの人々がいる。日本の名門大学や大手企業において教育、研究、管理などの重要なポジションを担っていた、もしくは担っている人々も多数いる。

彼等は、若い知識人、起業家、情熱に満ちた多くの留学生たちと共に在日ベトナム人コミュニティの発展を主導する役割を担い、日本の経済社会の発展に積極的に貢献し、両国の友好協力の重要な懸け橋となってきた。

大使は、フォーラムのテーマ「時代の流れ~未来に向けて」をめぐる討論を通じて、今後の2国間の協力のニーズがより明確になると確信していると述べた。

これまでの良好な科学技術協力の基盤は、在日ベトナム知識人コミュニティの成長・拡大と共に、科学技術とイノベーションの協力という2国間の協力関係の新たな発展の柱を創出することに積極的な貢献を果たすであろう。

グエン・チー・ズン計画投資大臣は、フォーラムに寄せたスピーチの中で、投資協力、イノベーションの促進、持続可能な社会経済の発展、ベトナムと日本の間の技術移転についての議論の内容は、特に世界が複雑で予測困難な形に変化し、貿易や投資が再構築されている状況においてはいずれも実質的なトピックであると評価した。

大臣によると、在日ベトナム知識人フォーラムの活動は、日本の専門家、知識人、政治家から大きな支持を受けている。同大臣は、これは有意義な懸け橋でありこれまでもこれからも日越関係の深化に貢献があると述べた。

ブイ・テ―・ズイ科学技術次官は、国の政策機構はこれまで党の決議を通じて常に、科学技術とイノベーションを社会経済開発と国家安全保障と国防の柱であるとみなしてきたと述べた。

同氏は、海外にいるベトナムの科学知識人は、ベトナムの科学技術基盤の不可欠な人材であると強調した。

また、在日ベトナム知識人は常に多くの政策への提言、批評や結束と共有のための支援・研修活動、フォーラムの多数開催など祖国を志向した実質的な活動を行っていると高く評価した。

加えて、日本にいるベトナム知識人、実業家、研究者もまた、ベトナムと日本の協力関係、特に技術とイノベーションの分野において、協力の形成、確立、強化、促進に大きく貢献しているとした。

ベトナム・日本50周年をめぐる全体討論では、古田元夫日越大学学長がベトナム・日本外交関係50周年と教授の50年間のベトナム研究について発表を行った。

古田教授によると、教授がベトナムを研究対象に選んだのは、当時ベトナム戦争が最も苛烈で、まるで世界がベトナムを中心に動いているようだったからである。2016年、古田教授はハノイ国家大学傘下である日越大学学長に就任した。

古田教授にとって、日越大学の学長になってベトナムの教育の発展を支援することは、ベトナムの教師や友人への恩返しでもある。教授は最も貴重な財産はベトナムの友人たちであり、ベトナムは骨に刻み心に記した愛であると強調した。

ベトナム・日本関係の評価について同教授は、日越関係の将来にとって鍵を握るのは、両国が真に「対等なパートナーシップ」を築けるかどうかだと述べた。

同教授によると、現在の急速な発展によりベトナムはもはや日本に安価な労働力を提供するだけの発展途上国ではなく、二国間の「対等なパートナーシップ」を築くのに十分な基盤と条件を備えている。

チン・タイン・ルアン在日ベトナム知識人会副会長は、2023年は両国関係発展の過程を振り返る重要な節目であり、それはまさに歴史の流れであると述べた。ルアン氏によると、若者は歴史を敬って未来に向かい、自身に希望を持ち共に頑張るために機会を見据える必要がある。

全体討論会「時代の流れ~未来に向けて」では、6人の講演者がそれぞれおよそ10年間隔で越日関係50年における6つの節目に基づいて講演を行った。

この全体討論を通じて出席者は、過去50年間の両国関係発展の全過程と、両国関係の現在と在日ベトナム人コミュニティの将来に提起されている機会と課題を再評価することができた。

在日ベトナム知識人フォーラム2023は10月15日に、ベトナム・日本科学技術貿易展示会やベトナム・日本科学技術集のお披露目、62名の講演者が参加した、「在日ベトナム人のための指針」「IC技術:グリーンエネルギー世界への統合を目指すベトナムの課題とチャンス」、「持続可能な開発;ベトナムと2050年ネット・ゼロ・エミッションの目標...」などを討論テーマとする9つのセッションなど多くのイベントが行われた。

講演者らは、経済社会、文化教育、科学技術におけるベトナムの発展にとっての時代的なチャンスや課題について共に討論した。

さらにフォーラムでは、環境と資源の保護と同時に再生可能エネルギー、高品質、クリーン生産、省資源に関連する科学分野の促進を志向するグリーン経済モデルへの移行といったベトナムの持続可能な開発問題も提起された。


【写真①】フォーラムの開会式で挨拶をするファム・クアン・ヒエウ在日ベトナム大使(TTXVN=VNA)
【写真②】ベトナム・日本外交関係樹立50周年と50年間のベトナム研究について発表する古田元夫教授(TTXVN=VNA)
【写真③】開幕の挨拶を行うタ・ビエット・フオン在日ベトナム知識人会会長
(TTXVN=VNA)
【写真④】フォーラムには、日本の大学、研究所や企業のトップクラスの研究者や専門家、日本で起業しているベトナムの実業家らが集まった(TTXVN=VNA)


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翻訳者:田中千笑
記事ID:6841