党人事業務:事前チェックも事後チェックも重視する

2024年04月12日付 VietnamPlus 紙
【写真①】第14回党大会人事小委員会初会議の議長を務めるグエン・フ―・チョン書記長(ベトナム通信社)
【写真①】第14回党大会人事小委員会初会議の議長を務めるグエン・フ―・チョン書記長(ベトナム通信社)
党人事業務:事前チェックも事後チェックも重視する
Công tác nhân sự của Đảng: Coi trọng cả 'tiền kiểm' lẫn 'hậu kiểm'


潔白な心がなければ、推薦・指名・選出の責任者は、人事配置の段階で個人やグループの利益を「組み込む」可能性がある。


【写真①】第14回党大会人事小委員会初会議の議長を務めるグエン・フ―・チョン書記長(ベトナム通信社)


第14回党大会人事小委員会の第1回会議でのスピーチでグエン・フー・チョン書記長は、「幹部・党員・人民は、歴史が課した偉大な革命任務を担うに足る体力を持つために、わが党がこれからどのように指導部幹部を選抜するのかを懸念している」と述べた。

"姉が去っても、妹や従妹らが育つ"
"Con chị đi, con dì lớn"

グエン・フ―・チョン書記長は著書『汚職や否定的な要素と断固として粘り強く戦い、潔白で強い党と国家の構築に貢献する』の中で次のように明確に述べている。「幹部の懲戒は誰も望んではおらず、非常に苦しく心が痛むことですらある。しかし共通の大義のため、党の規律の厳守や国家の法律の尊重のため、党の潔白、力強さ、威信と人民の意志と願いのため、我々は今後さらに断固として徹底的に、より強力に取り組まなければならない。」

第 13 期の開始から 2024 年 3 月 16 日(第 14 回党大会人事小委員会第 1 回会議の時点)までだけで、中央執行委員会と政治局、書記局、中央監察委員会は、以下の理由により、中央が管理する部門の100 名近い高官を懲戒処分とした。このうち、一部の職員は刑事処分を受けている。2024 年の第 2 四半期に入ると、汚職不正の防止撲滅の戦いがさらに推進された。

4月2日と3日の第39回定例会議で中央監察委員会は、政治局と書記局に対し、2011~2016年、2016~2021年任期の労働傷病兵社会省党人事委員会と、ダオ・ゴック・ズン大臣、ファム・ティ・ハイ・チュエン元大臣、元党中央委員で党人事委員のフイン・ヴァン・ティ次官個人に対する懲戒の検討と実施を要請した。中央監察委員会はまた、一部省職員を党内のあらゆる役職から解任した。

4月9日、書記局はヴィンフック省レ・ズイ・タィン人民委員長を党から追放した。これに先立ち、2024年3月初旬タィン氏は、フックソングループのグエン・ヴァン・ハウ会長に関連した事件での違反を明らかにするために、ヴィンフック省ホアン・ティ・トゥイ・ラン党書記と共に逮捕・拘留されていた。

また4月9日、書記局はクアンガイ省ダン・ヴァン・ミン人民委員長、クアンガイ省カオ・コア元人民委員長、フーイエン省ファム・ディン・クー元人民委員長を含む7人の党員を党から除名した。


【写真②】左から:カオ・コア氏、ダン・ヴァン・ミン氏、ファム・ディン・クー氏(ベトナム通信社)


少なくない組織や地方の主要指導者が懲戒処分となったわが党と国家の汚職不正の徹底的な撲滅は、幹部、党員、国民の世論の同感、支持を受けてきたが、その一方で懸念する意見もある。

ほぼ2年前(2022年6月)の「多くの幹部が懲戒処分を受けたら誰に仕事をしてもらうのか」という質問については、バディン区、ドンダー区、ハイバーチュン区(ハノイ市)の有権者と接したグエン・フー・チョン書記長はこう断言した。「“姉が去っても、妹や従妹らが育つ”という諺がある。仕事をする十分な幹部がいないと心配する必要はない。法律に違反するだけでなく道徳的にも過ちを犯した幹部を罰しないわけにはいかない。」

“過程は正しいが、人事は依然として間違っている”を避ける

グエン・フー・チョン書記長によると、ソ連と一部の東欧諸国における社会主義政権の崩壊には非常に重要な理由があり、それは多くの戦略を担うレベルの指導者、特に最高レベルの指導者の誤った選択と配置だった。

では、誤った幹部の選択と配置を避けるにはどうすればよいのだろうか?

2017 年 12 月 19 日付けの幹部管理の分権と幹部候補者の任命と推薦に関する政治局規定No. 105-QD/TW では、幹部管理における党中央委員会の参謀支援機関の責任と権限、幹部任命の原則、責任、審議権、過程と手続き、幹部任命の期限と条件について非常に具体的に述べられている。

これは、人事業務における「事前確認」の段階とみなされる。

第13回党大会の人員の準備は、党の最も優秀な幹部らであり民族のエリート層でもある中央執行委員200名を選出するために、これまでで最も入念かつ丁寧に行われたとみなされてきた。

しかし、2021年初めから2024年初めにかけて、中央の部門の高官100人近くが懲戒処分を受けた。

この状況は、 “過程は正しいのに結果が多くの場合依然として間違っているのはなぜなのか、人事業務の欠点をどのような方法で克服するのか”という質問への解答である「検査後」の段階を重視する、に対して問題を提起するものである。

現実は、過程がどれほど厳格であっても、それを実行する人々が規定に従いかつ公正であるかどうかによることを示している。幹部自身は重責を担う者に選出された後も修養し、革命道徳の品位、能力、教養を鍛錬し続けているのだろうか。

指導的地位にある幹部は、党に対し、組織や地方に対し、責任を両肩に負っているが、その背後には多くの人々に対する利益や権力と、物質的、精神的な影響力がある。したがって、潔白な心がなければ、推薦・指名・選出の責任者は、人事配置の段階で個人やグループの利益を「組み込む」可能性がある。これは「幹部業務における汚職」と呼ばれる。


【写真③】第13期第8回党中央委員会総会閉会式の全景(ベトナム通信社)


昨今の人事業務における過ちや限界を繰り返さないためにも、書記長は、次期中央執行委員会・政治局・書記局・および党と国家の主要な指導的地位に加わる人事の推薦は基本計画に基づき、原則、規則、規定を堅持し、人材の評価、推薦、選択における責任、民主主義、公開性、透明性、客観性を発揮するよう要請した。

人事を見出し推薦するにあたっては民主主義を真に発揮するとともに、関係団体と個人の審査権と責任を明確に確定し、民主集中の原則を厳格に実行し、党委員会、党組織、指導者の役割と責任を発揚しなければならない。局所的、地元的、知り合いという「取り巻き」「グループの利益」という考えに抵抗し、単純、恣意的、無原則なやり方は避けなければならない。

第 14 回党大会の人事業務は、厳格で科学的かつ一貫性のあるプロセスで行われなくてはならず、真の公平性・透明性が確保される必要がある。中でも幹部の評価・推薦・選出には「鋭い目を持ち」、「鶏をクイナと見間違えない」ようにしなくてはならない。


この記事の原文はこちら

同じジャンルの記事を見る


翻訳者:東野仁音
記事ID:6918