世界環境デー:パキスタンでは大気汚染、海洋汚染、水質汚染が進む
2014年06月05日付 The daily Jang紙

パキスタンでは環境改善のために真剣な取組みが行われていない。予算配分も削減されている──専門家。

カラーチー(ジャムシェード・ブハーリー……スタッフ・レポーター):―政府の無関心のため、国際的にはパキスタンは環境改善の点で不真面目な政府に数えられている。本年度予算では環境問題に割り当てられたのは2000万ルピーのみである。ちなみに昨年度はこの額は5400万ルピーであった。環境保護庁の専門家、パルウェーズ・アーミル博士、環境問題スペシャリスト、シャフィーク・カーカーヘール、そして、ジャーヴェード・チシュティー環境学博士が世界環境デーに際して当「ジャング紙」と会話する中でこのような意見を表明した。ちなみに、6月5日には世界中の各地で世界環境デーが祝われている。専門家たちによればパキスタンは気候変動、大気汚染、水質汚染、海洋汚染の他様々な環境問題に直面しているという。環境問題に関する機関、気候変動課、各州環境庁、海洋学研究所、野生生物局、林野庁、動物学サーヴェイ局、パキスタン宇宙高層大気研究委員会(SUPARCO)の間で互いの連絡はなく、これら諸機関の間でデータの交換が行われることもない。専門家たちによれば、第18次憲法改正の後、環境省が連邦政府から外されたことからパキスタンでの環境改善事業には大きな痛手となったという。パキスタンは連邦レベルでの環境省がない世界でも唯一の国である。政府機関と足並みを揃えて国際的なNGO、殊にLEAD Pakistan(パキスタン環境と発展リーダー育成プロジェクト)やIUCN(国際自然保護連合)も活動は単にワークショップの開催までに終始している。パルヴェーズ・アーミル博士によれば、環境問題に関する政府機関の無関心のために国際的なNGOも環境改善に対する積極的な関与は手控えているという。第18次憲法改正の後、援助団体は、州政府に対する不信のために環境問題に関するプロジェクトの件では、州への援助を停止している。各州の環境庁では専門家が酷く不足している。門外漢の関連部署への配属も環境改善という点では足枷となっている。パキスタンで大気汚染を監視する測候所も閉鎖されたままである。一方でどの機関でも汚染に関する信頼に足るデータは皆無で、全機関はこぞって海外のデータに依存している。大規模プロジェクトの環境アセスメントを行なうにも専門家の数が足りない。幾つかの大規模プロジェクトは環境アセスメントなくして実現されたし、あるいはその運びである。環境庁の仕事は通知の送達に終始している。環境問題スペシャリスト、シャフィーク・カーカーヘールによれば、パキスタンの1つの大問題は「汚染水」ということに収斂しつつあるという。それは健康問題を深刻化しつつある。病院の患者の大多数は汚染水の被害者である。都市部と並んで今や農村でも水質は悪化している。井戸でも用水路でも肥料や農作物に掛ける殺虫スプレーは水の中に浸透し、健康に害のあるものになりつつある。今後気候変動のためにパキスタンは食糧や水不足の国々の仲間入りをする日が来るかも知れない。

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(翻訳者:石塚智恵)
(記事ID:297)