抗争の停止を~国連全政党に呼びかけ~
2015年01月25日付 Prothom Alo紙

(1月17日付)国連人権高等弁務官事務所は、バングラデシュで激化する政治的抗争について深い憂慮を表明した。同事務所はすべての政党に対し即刻抗争を中止するよう呼びかけるとともに、対立が続く中すでに多くの死傷者が出ており、さらに悪化して先の選挙のときのような状況になることを懸念していると述べた。
国連人権高等弁務官事務所のラビナ・シャームダーサーニ報道官は木曜日声明を発表し、去年の総選挙からちょうど1年に当たる1月5日、野党BNPが全国で道路封鎖を呼びかけて以来今も継続中の抗争が始まり、それに対し政府がBNPの議長や幹部による抗議活動への参加を阻んだことから、これまでに10人を超す死者が出、野党の多数の指導者が拘束されるに至ったと述べた。
声明は、火曜日に起きたバス放火事件で4人(その後病院で1人が死亡したため5人となった)の死者が出たことに触れ、続発している輸送機関への攻撃について格別の憂慮を表わした。同じ日にはBNPの幹部が銃撃され車に放火される事件が起こっている。またその翌日にはガジプルのカリヤコイルでバスが放火され、1人が死亡している。
このような状況の中、国連高等弁務官事務所は各政党に対し自制を促すとともに抗争終結のために方策を講じるよう呼びかけた。同時に当局に対しては、死傷事件の中立公正な捜査実施を求めている。声明はさらに政府に対し、野党指導者たちの逮捕が特定の目的のために行なわれているのではないということを明確にするように求めた。治安維持のために行なわれている対策が、国際的な人権法と合致したものであることも求められている。さらに平和的な集会や交通の便宜、言論の自由の確保も国連は重視している。
国連の声明の前日には、ダカ駐在の外国外交官らも、現在の政治状況について憂慮を表明している。アメリカ国務省、イギリス大使館、EU大使館はさらに、BNPの顧問を務めるリヤズ・ロホマン元外務副大臣が銃撃されたことについて深い憂慮を表わすとともに、この事件を強く非難した。別々に出された声明で各国は、この襲撃事件に関わる者たちを適切な捜査を通じて法的措置を取るよう、バングラデシュ政府に求めた。
駐ダカEU大使はバングラデシュの政治状況の「萎縮」について懸念を表明し、暴力行為の停止を強く求めた。EU大使は、平和と安定回復のための方策は集会や通行、意見表明の権利を奪うものであってはならないと述べた。

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(翻訳者:関谷レイミ)
(記事ID:375)