イエメン紛争ではパキスタンは中立を保つべし──議会の全会一致の決定 サウジアラビアにいざという場合には、同国に味方しよう
2015年04月11日付 The daily Jang紙
イエメンの紛争は、宗派対立ではないがこれに発展する可能性を否定できない。宗教対立となった場合は、パキスタンを含めた地域に深刻な影響を残すであろう。
政府は危機の終息のために国連とOICにおいて役割を果たすべし。イエメンの全当事者は鋒を収めよ。12項に亘る決議において、イエメンに取り残されたパキスタン人の出国について中国の支援への感謝の表明と政府の努力への賞賛。
イスラマバード(ジャング特派員):―イエメンの紛争について議会の上下両院合同会議は同紛争に対してパキスタンは中立の立場をとるとの決定を下した。議会の上下両院合同会議において、金曜日、イエメン情勢について12項に亘る全会一致の決議が承認された。決議ではイエメン危機の終息のために国連とイスラム協力機構(=OIC)において積極的な役割を果たすようにと政府に対し要請している。決議においては、サウジアラビアの安泰にいざという場合にはパキスタンは同国と運命を共にするものであるとの決意も繰り返された。決議の承認の席にはナワーズ・シャリーフ首相も議場に臨席していた。決議の草案は、議場に出席していた各党代表の意見の一致を経て起草され、連邦相、イスハーク・ダール上院議員によって議会に提出された。決議の本文では、イエメンに取り残されたパキスタン人の出国に向けての政府の努力が賞賛される一方、パキスタン人の出国における支援に対して中国にも謝意が表明された。同決議文ではこう述べられている。当議会はこう考えるものである。すなわち、イエメンで続く紛争は宗派対立ではない。しかしこれが宗派対立に発展することも否定できない。もしそのような事態になった場合は、パキスタンを含めたこの地域一帯に深刻な影響を残すであろう、と。決議ではパキスタン政府はイエメン問題に対して中立であれ、また、イエメンの紛争の即時停戦に向けて国連やOICにおいて効果的に自身の役割を果たすようにとの願いも表明された。しかしながら、サウジアラビアの地域的安泰やメッカ、メディナの両聖都にいざという場合には、パキスタンはサウジアラビアと運命を共にするものであるとの決意が繰り返された。また決議文ではこう述べられている。イエメンの情勢は地域に混乱を広げる種になる可能性があり、当議会はイエメンの平和回復に向けて行われているところの地域的、国際的な努力を支持する、と。決議文ではイエメンに存在する様々な勢力が自身の利害対立を平和的な対話により解決するように期待が表明される一方で、国際社会とムスリム共同体に対して平和構築の努力に拍車を掛けるように訴えられている。全会一致で可決されたこの決議では、パキスタン政府によるイエメンにおける自国民の出国のために取られた努力と措置も賞賛され、また特に隣国中国の協力に対して謝意が表明された。決議ではイエメンの全当事者に対して鉾を収め、自身の意見対立を平和的な方法で解決するように強く要望する一方、イエメンの平和構築を確固とするためパキスタンによる国際的、地域的努力が支持された。
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(翻訳者:松岡由希子)
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