バングラデシュ国民の平均寿命70歳8か月に延びる
2015年12月21日付 Prothom Alo紙

バングラデシュの人々の平均寿命はこの1年の間に少し延びた。2014年の平均寿命は70.7歳、その前年の2013年には70.4歳だった。
一方、男性と比べて女性は平均的に長生きだ。女性の平均寿命は71.6歳で、男性は69.1歳である。(この統計をまとめた)バングラデシュ統計局(BBS)によれば、男性に比べ生命力が強いため、女性は比較的長生きだという。
BBSの発表した最新の2014年人口動態統計でこれらのことが明らかにされた。BBSの発表は小数点を使って行われているが、年月日で表わせばバングラデシュ人の平均寿命は現在70歳8か月12日となる。
BBSの報告書によると、同国の年間人口増加率は変わっていない。2014年は1.37%増加した。その前年も同じ割合だったが、さらにその前年の2012年には、人口増加率は1.36%だった。
BBSは昨日この報告書を発表した。発表に合わせ、ボンゴボンドゥ国際会議場で討論会が催された。
報告書によると、女性は以前よりも早く結婚するようになっており、結婚平均年齢は低下している。2012年には20.1歳だった女性の結婚平均年齢が、その後2年間さらに下がり、最近の2014年には18.5歳となった。
一方男性の結婚年齢には上昇が見られる。平均結婚年齢は現在25.9歳となっている。2012年には24.7歳だった。また都市部に比べて農村部の女性は、比較的若い年齢で結婚している。都市部では平均19.7歳、農村部では平均年齢18.3歳である。
BBSによれば、20歳以上の女性の65.4%は既婚者で、9.1%が寡婦、夫に去られた、または別居中となっている。この二つの指標は前回の調査時に比べ悪化している。(同じ年齢層の)男性の59.9%が既婚者である。
プロトム・アロ紙はこのことについて前選挙管理内閣で顧問を務めたラシェダ・K・チョードリ氏に尋ねた。「女性の平均結婚年齢が下がっていることを憂慮している。女性の(社会的地位)向上の分野で私たちがこれまで成し遂げたことが国内外で賞賛されているなかで、この指標の低下のために、(出産の際の)母親の死亡率や乳児死亡率の減少などの成果が危機に瀕することになるかも知れない。女性の結婚年齢の低下を防がなくてはならない」というのが答えだった。ラシェダ・K・チョードリ氏はさらに「法律を変えて女性の結婚可能年齢を16歳にまで引き下げる動きがあると聞いているが、最終的にそれが認められてしまうかもしれない。そうなると様々な社会的数値のこれまでの向上は意味を失う恐れがある」と語った。ごく若い年齢での結婚を制止するために、政府・民間あげての取り組みを役立たせることが必要だと同氏は述べた。
BBSの同調査実行の指揮を執ったA.K.M.アシュラフル・ホク氏は、「毎年1月から12月までの期間、現場が行なってくれている実地調査の結果からこうした情報を得ることが出来た。BBSはその結果を分析したにすぎない」と述べた。
年間人口増加率と同様、合計特殊出生率も横ばいとなっている。BBSの統計によると、2014年の合計特殊出生率は2.11だった。これは15歳から49歳までの女性が生涯で平均2.11人の子を出産することを意味する。2009年には、母親ひとりにつき出生数の平均は2.12だった。
 BBSは毎年人口動態統計を発表している。この統計から、誕生、死亡、寿命、婚姻など人間の生涯で発生する出来事が浮かび上がってくる。
 教育:7歳以上の国民のうち58.6%が学校教育を受けている。この年齢層の識字率は男性で60.7%、女性は56.6%となっている。都市部での識字率は70.5%なのに対し、農村部では55.2%となっている。これらすべての指標は1年前に比べ上昇している。
 死亡:2014年では普通死亡率、乳児・幼児死亡率、母親死亡率すべてが低下し、さらなる改善が見られた。バングラデシュでは1歳の幼児1,000人のうち、平均30人が命を落としている。多くの原因はさまざまな疾病である。また生後1ヶ月未満での死亡率は1,000人に対し21人となっている。この数値は農村部で21、都市部では19だった。1か月から11か月までの死亡率は9、1歳から4歳までの死亡率は2となっている。5歳以下の子ども1,000人のうち38人が死亡している。一方、10万人あたり193人の母親が出産時に命を失っている。さらに普通死亡率は、ある特定の地域で1年間に1,000人あたり5.2人となっている。
 討論会から:討論会に主賓として出席したショフィクル・アジョム計画次官は、国家計画の成功は客観的な統計にかかっており、今回発表された統計は今後の国家計画に役立つと述べた。また特別ゲストとして参加した計画委員会の総合経済局のシャムスル・アロム氏は、統計に裏打ちされた計画は極めて重要であり、そのためにBBSの強化が行われているとした。バングラデシュ国際下痢症研究センター(ICDDRI)のアブドゥル・ラッジャク名誉研究員は、バングラデシュでは合計特殊出生率とともに死亡率も低下しているが、これは人口構成上若年層が増えていることを意味し、この世代が就業機会が問題となってくるだろうと語った。
 討論会ではBBSのアブドゥル・ワジェド局長が司会役を務め、BBSのプロジェクト・ディレクター・A.K.M.アシュラフル・ホク氏が基調報告を行なった。また統計・情報管理局(SID)のカニジュ・ファテマ次官、ユニセフ・バングラデシュのオヌラダ・ナラヨン主席栄養官などが発言した。

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(翻訳者:山口優季)
(記事ID:470)