30年で一番の暑さ
2016年04月29日付 Prothom Alo紙
天気予報では、今月4月は平年より多くの雨が降るだろうと言われていた。ベンガル湾で2,3度低気圧が発生するかもしれない、カルボイシャキと呼ばれる夏の嵐も3度か4度あるかもしれない。そして、猛烈な暑さが1,2回は襲ってくるかもしれない、ということだった。
今月も残すところあと一日だ。気象庁の予報が本当に当たるためには、ほぼ、クリケットの試合において最後の一球で100ランをあげるような事態が起こらなければならない。
天気予報は今回、当たらなかっただけではなく、むしろこの4月の大半は、猛暑と少雨の中で過ごすこととなった。過去30年の気温と降水量を計測すると、4月は記録的な月と言える。統計によると、今月はバングラデシュの過去の歴史と比較しても、最も長期にわたる熱波が流れている。4月6日から連続23日間にわたって、国のさまざまな地域を猛暑が襲った。その結果、4月の平均気温が平年よりも全国で5~6℃高くなっている。
この猛暑の中で、人間は言うに及ばず、車まで恐れをなして安全な場所に避難しているようだ。焼けるような日差しとあえぐような暑さのために、昼時には、首都の道路は閑散としてしまう。
気象庁の統計によると、4月にはふつう1回か2回、熱波がやってきて、それが合計6~7日続く。これ以前の1995年、国の12の県でくりかえし8日猛暑がやってきた。その後2007年に7つの県で、1999年と2009年に6つの県で5~6日の猛暑となった。しかし、連続23日間にわたって猛暑が続いたのは、これまでに見られなかった。
さらに、降水量の数値を見ると、ベンガルの三角洲に住む大半の人たちの運命は、裏切られることになった。気象庁の統計では、4月の平年の降水量は、国全体で166.3mm、ダッカでは130mmである。今年の4月のダカにおける降水量を計測してみたとしても、3~5mmを超えないだろう。それも、首都の北部および東部の1,2の地域で降ったに過ぎない。
今年の4月の風の吹き具合を計算してみれば、失望感はさらに高まるだろう。首都ダカや国中に住む人たちは、通常カルボイシャキが起こるはずの月にも、未だ夏の嵐が吹き寄せるのを見ていない。
ときおり、強風が吹いてくるとともに、水をたっぷり含んだ空気が流れてくる。こうして、風の熱を運ぶ力が増し、結果的にカルボイシャキが原因となって夏の猛暑が小休止することがあるものだが、今回はそれさえなかった。気象専門家らは、今年のボイシャク月は、過去30年間のうちで特別な例外的なものと言っていいと述べている。
今月の天気予報がなぜ外れたかについてプロトム・アロ紙が気象庁のタスリマ・イマム予報官に尋ねたところ「エルニーニョという名前の特別な気象現象のために、太平洋の中心部にわたる地域で気温が上昇した。この影響で、アフリカから始まって、東アジアを通り、南アジアまで雨の少ない状況が出来上がり、その影響がバングラデシュにも及んだ。そのような理由で、今年の4月は天気予報が当たらなかったのだ」という答えだった。
ただ、気象庁の観測によると、すでにインドの西ベンガル州から雲の塊がバングラデシュの上空に流れてきており、この影響で、昨日木曜日は、モエモンシンホで28mm、ロングプルで5mm、シレットで4mm、スリモンゴルで1mm、そしてマダリプルでほんの少し雨が降った。今日もロングプルとクミッラ地方、それにダカ、ラジシャヒ、シレット各管区のいくつかの地域で嵐のような雨風の可能性がある。
このことについて気象庁のアブドゥル・ロホマン予報官はプロトム・アロ紙に以下のように語った。「国内の1つ2つの地域で雨が降っても、気温はすぐには下がらない。というのも、気温が下がるには1~1.5時間の連続的な雨が降らなければならず、そういった可能性は今のところ見られないからだ」。
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(翻訳者:森山雄圭)
(記事ID:505)