父や夫には娘や妻に対する暴力は許されず。身体に擦り傷一つさえなかるべし──イスラーム・イデオロギー評議会議長
2016年05月27日付 The daily Jang紙

女性は宗教的な戒律の内に留まりつつ経済活動やビジネスが可能である。「女性権利保護」と銘打ち新しい草案を起草。

イスラーマーバード(本紙代表):-イスラーム・イデオロギー評議会は女性の権利を巡りパンジャーブ州議会が可決した州法とハイバル・パフトゥーンハー州議会の法案の両者を退けつつ、「女性権利保護法」と銘打って新しい草案を作成した。次回の会合で最終案に仕上げられる運びある。父や夫には娘や妻への暴力は許されない。身体には擦り傷一つさえあるべきではない。女性は宗教的な戒律の内に留まりつつ経済活動やビジネスを行うことが可能である。子どもへの体罰の禁止を巡る上院の常任委員会から送られた草案を退けて、新しい草案を作成した。これも次回の会合で最終案に仕上げられる予定である。以上はモウラーナー・ムハンマド・ハーン・シェーラーニー・イスラーム・イデオロギー評議会議長が評議会の三日間に亘る会合の最後にあたり記者会見の席上述べた。評議会はクルアーンの刊行には「ダーニー流」ウスマーニー書体(後述)の採用を勧告した。モウラーナー・シェーラーニー氏はこう述べた。「ハイバル・パフトゥーンハー州政府から評議会の検討を求めて草案が同評議会に送られてきましたし、パンジャーブ州議会が可決した州法は評議会が自らの発意でこれを取り上げ検討しました。両法案を退けた後、評議会『「女性(権利)保護法』と銘打ち草案を作成し各州議会および連邦議会に送ることに決定しました。評議会のメンバー、モウラーナー・イムダードゥッラー氏が今回の法案の作成において極めて重要な役割を果たしました。」と。氏曰く、「イスラームは女性に非常に多くの特権を付与しています。例えばムスリム男性が棄教すれば彼には三日間の猶予が与えられますが、その後は死罪です。しかし女性が棄教したとしても彼女は牢につながれこそすれ命が奪われることはありません。女性がもし誰かの許に嫁げば、彼女がたとえどれほど裕福であっても、居住費、医療費、食費を含む彼女に掛かる経済的負担は彼女の夫に課されます。女性は防衛の点では義務を負いませんが、生命と財産、また自らの尊厳を守るための防衛に関わる教育や訓練は女性の基本的な権利の一つです。」と。氏に対し「国防あるいは安全保障に関わる機関に女性が勤務することはイスラーム法的にはどのような位置付けか」と質問が発せられると、氏はこう述べた。「ムスリム女性は宗教的戒律の内に留まることを条件に彼女の自由意思でこの種の職務に就くことができます。しかしこれを彼女に無理強いすることはできません。もし女性が既婚者であるなら彼女の夫の、またもし彼女が未婚者であるなら彼女の父親の意向と同意を経て、この職務に就くことができます。しかし彼女に犠牲を強いることはできません。」と。氏曰く、「イスラームは女性に所有権を与えています。イスラームでは女性は宗教的な戒律の内に留まりつつ経済活動やビジネスを行うことができます。女性は自身の信条に従って商いができます。」と。曰く、「パンジャーブ州議会は女性の権利に関わる法案を可決し、憲法を逸脱しました。」と。曰く、「集団的営みの最も基本的な単位は家族です。そこにおいてこそ教育やしつけ、そして指導というものがあります。父や夫には、女性(=妻や娘)に暴力を振うことは断じて許されていません。女性の身体に擦り傷一つさえあるべきでありません。骨が折れたり、出血をするような体罰はいけません。家族という単位は善意の基礎の上にこそ存立しています。」と。曰く、「もし妻が妻としての義務を果たさないなら夫には彼女の経済的負担は課されません。」と。氏はこうはっきりと述べた。「夫に妻への暴力の権利が与えられている訳でもなければ、妻に夫への暴力の権利が与えられている訳でもありません。しかしながら夫も妻も相手の向上を期しての警告や威嚇は許されています。もし妻が夫の命に違背するならば、夫は彼女との同衾を拒むべきです。」と。モウラーナー・シェーラーニー氏はこう述べた。「子供への体罰に関する草案は作成しました。それは最終案に仕上げて上院に送付される予定です。」と。クルアーンの刊行に関して彼はこう述べた。「第三代正統カリフウスマーン・ガニーの時代、クルアーンのために採用された書体がウスマーニー書体であり、これには異論がありません。ウスマーニー書体も二つの流れで我々に伝わっております。一つはダーニーのそれ、そしてもう一つはイブン・ナッジャーフのそれであります。インド亜大陸では「ダーニー流」が広く親しまれておりますので、評議会の見解は、それを採用すべしというものであり、また誤記誤植があってはなりません。『理想的なクルアーン』の名の下で聖典(=クルアーン)の刊行は一切ご法度です。それにより他クルアーンの刊本が間違いであるかの如く印象を与えるからです。」と。曰く、「評議会の見解は宗教問題省に送付されます。そこでは宗教問題相が委員会を立ち上げています。」と。NNIによると、イスラーム・イデオロギー評議会の会合の女性権利保護の草案が提出されたが、それに基づくと夫には妻への軽微な暴力は許されるという。評議会のメンバーであるムフティー・イムダードゥッラーは女性の権利保護という点で163条からなる草案を提出したという。

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(翻訳者:加藤菜瑠)
(記事ID:554)