アフガン難民滞在延長にハイバル・パフトゥーンハー州政府が異議申し立て、キャンプをアフガニスタン移設に向けて交渉せよ──ナワーズ・シャリーフ
2016年06月30日付 The daily Jang紙
連邦はもし連邦政府がアフガン難民に長期間の滞在を許す意向ならば、全員の登録と滞在に対する十分な対策も怠るな。不法に滞在するアフガン難民に対しては取り締まりを継続する。この措置は30日とは何ら関係なし、ハイバル・パフトゥーンハー州政府
POR(=登録済み証明)カードを保持者には6ヶ月間滞在が延長された。アフガン難民の帰国に便宜を図るとともに、親善への思いを込めてパキスタンはアフガニスタンへ移設する難民キャンプに3年間無償で小麦を支給する予定である。
イスラーマーバード、ペシャワール(ニュースレポーター、記者):-ナワーズ・シャーリフ首相はPOR(=登録済み証明)カードを保持するアフガン難民のパキスタン滞在期間の2016年12月31日までの6ヶ月延長を行った。この決定の発表は首相官邸から出された声明の中で行われた。首相は外務省と州・国境問題省に対し、アフガン難民キャンプのパキスタンからアフガニスタンへの漸次的移設に向けてアフガニスタン政府及び国連の難民高等弁務官事務所(UNHCR)と即座に話し合いに入るよう指示した。アフガーン難民の帰国に便宜を図るとともに、親善への思いを込めてパキスタンはアフガニスタンへ移設する難民キャンプに3年間無償で小麦を支給する予定である。パキスタンにあるキャンプから帰る難民に対して小麦が割り当てられよう。世界食料機構と国連の基準に照らして1日につき許容される量が支給されよう。アフガン難民のパキスタン滞在期限は6月30日に終わり迎えようとしていた。今回の決定の適用は有効期限が切れた登録済み証明(POR)カードを保持する登録済みアフガン難民に限定され、不法滞在のアフガン人に対しては取り締まりは続く。一方、国連の難民のための機関UNHCRは自らの意思で帰国するところのアフガン難民の励ましと最大限のアフガニスタン人の自発的な帰国を確実にしようとする狙いから、その対価の額を1人につき200米ドルから400米ドルに引き上げている。
これに先立ち昨年12月31日のパキスタンに住む登録済みアフガン難民の登録証明カードの期限が切れた時UNHCRはパキスタンに対してその難民の滞在期間の2年間延長を要望したが、首相はその要望をそのまま実行することに代えて、自身の特別の裁量権に基づき、その難民の滞在期間を2016年1月から6月までの、本日木曜日をもってその期限も終わりを迎える暫定的6ヶ月延長を行ったのであった。今回州政府はアフガン難民の滞在をこれ以上延長せず、確実に彼らを本国に送り返すということに躍起であったが、UNHCRによる難民の滞在期間の2年延長の要望は既に連邦政府の検討課題に入っており、ただ、首相が不在の上閣議も開かれなかったので、首相は今回も自身の特別裁量権を行使して、パキスタンに住むアフガン難民を本年12月31日までの6ヶ月の暫定的なパキスタン滞在を承認するところとなったのである。
ペシャワール(本紙記者):-ハイバル・パフトゥーンハー州政府はアフガン難民の滞在の6ヶ月延長に異議を唱えて、連邦政府に対し問題を提起する決定をし、こう述べた。「もし連邦政府がアフガン難民に長期間の滞在を許す意向ならば、全難民の登録と滞在に対する万全の対策に力を入れよ。」と。同州政府曰く、「ハイバル・パフトゥーンハー州内に不法に滞在するアフガン難民に対しては取り締まりを継続する。この措置は6月30日とは無関係である。」と。ハイバル・パフトゥーンハー州政府は懸念を表明しながら、次のように述べた。「ハイバル・パフトゥーンハー州は連邦の一環であり、それゆえパキスタン政府の交わした国際的な条約を尊重する構えであるが、もし連邦政府がアフガン難民をパキスタン国内に長期間滞ることを許す意向ならば、その滞在と登録のために適切な対策に力を入れよ。なぜならパキスタン国内では半数のアフガン人が不法滞在者であり、彼らは何らの登録もされていなければ、一切の記録もない有様であるからである。のみならず、アフガン難民を装って相当数のウズベク人やチェチェン人もパキスタン国内に居住しており、これがこの国の、とりわけハイバル・パフトゥーンハー州の悪化の一途をたどる治安状況の元凶になっているからである。それゆえ連邦政府はこの不法なアフガン難民の登録に意を用いるとともに全アフガン難民の帰国の確定的な予定表を発表せよ。なぜならこれは中央政府の責任であるからである。何十万人ものアフガン難民はハイバル・パフトゥーンハー州のインフラストラクチャーにとって重荷であるばかりでなく、州経済とその経済活動をも彼らに牛耳られている。不法難民に対する取締りとその本国送還は今後も続ける。」と。ところで、アフガニスタン大使ウマル・ザーヘールワール博士はパキスタン正義運動の議長イムラーン・ハーンと会見の後にハイバル・パフトゥーンハー州におけるアフガン難民の逮捕とその取締りを中止させるためにパルヴェーズ・ハタック同州首相と会見する予定である。」と。
原文をPDFファイルで見る
(翻訳者:高塚恵)
(記事ID:579)