安全な休憩地を求めて町に鳥の「来客」
2017年01月25日付 Prothom Alo紙
(1月17日付)ひとりの若者が、目や顔に大きな驚きの表情を浮かべて立ち尽くしていた。その眼の前には何千羽ものカモが群がって飛んでいる。その光景を瞬きせずに見ていたのだ。その若者だけでない。他にも20人ほどの人がこの素晴らしい景色を楽しんでいた。
こんな風景が見られたのは土曜日の朝だった。場所はシレット市からほど近い南シュロマ郡チョンディプル地区である。ここにある池に2日前から冬の渡り鳥が飛来して羽を休めている。
土曜日の朝、シレットからダカに向かう幹線道路の左側の、シレットのチョンディプル地区に隣接したノースイースト医科大学の隣にある池で、はるか遠くシベリアから来たカモの群れが空いっぱいに飛び回っているのが見えた。何千羽もの鳥たちの鳴き声が四方に満ちている。池はもちろん、住宅の屋根から民家の庭まで―鳥たちはどこでも自由に飛び回っている。食べ物を探して、池や空き地を回っているのだ。
地域住民によると、6年前からこの場所に渡り鳥がやって来るようになったという。厳しい冬の寒さから逃れるためにここを訪れているのだ。何種類かの鳥が見られるが、特にカモの類が多い。地元の人たちは鳥たちが狩猟者の手にかからぬよう、監視の目を光らせている。
池の隣にあるノースイースト医科大学の学生ドゥルボジトさんは言う。「ここ2年、冬の初めに渡り鳥がやってきていました。今年はなかなか来なかったのでちょっと意気消沈していたのですが、2日前に群れがやってきて、地元の人たちだけではなく、僕たち学生も喜んでいます」
地元のある自営業者は、場所が近いこともあって口コミで鳥の来訪の話が伝わっていくという。また、鳥たちにとってここが危険な場所と思えることがないようにするのが大切だ、と語った。
2012年に制定された「野生動物(保護と安全性)法」は、渡り鳥を殺した場合、最高で1年の懲役、または10万タカまでの罰金、もしくはその両方の罪に問われると定めている。同様に渡り鳥の肉や体の一部を手に入れたり、所有や売買を行なったりした場合には、最高6ヶ月の懲役、または最高30000タカの罰金、もしくはその両方が課せられることになっている。南シュロマ警察署のモハンマド・ハルン・アル・ロシド署長代理は、「鳥たちがいる間はチョンディプル地区での監視を実施する。狩猟者がいれば法律に基づいて処分を行なう」としている。
シレット農業大学にある「動物の権利と生物多様性保護団体「プラディカル」のモンジュル・カデル・チョウドゥリ事務局長は、プロトム・アロ紙の取材に次のように答えている。「シレットの湖沼地域で、鳥を狙った狩猟が増加している。鳥たちはチョンディプル地区を自分たちにとって安全だと思うからこそ、何千羽もが群れになってきてくれているのだ。人間の好ましくないふるまいで鳥たちがこの場所を危険だと思うことがないようにするのが大切だ」と語った。
この記事の原文はこちら
(翻訳者:林香理)
(記事ID:620)