ショベボラトの夜に、ダカにて
2017年05月12日付 Prothom Alo紙
すべての人の今後1年の運命をアッラーが定めるとされる聖なるショベボラトの夜に、3人の子どもたちがナマーズ(イスラム教における礼拝)を行うため、バングラデシュ最大のイスラム教寺院、バエトゥル・モカロム国立モスクにやって来た。そのうち、マハフジュル・ロホマンくんは10年生、パルベジュ・モシャロルフくんは8年生、そして、モスタキム・ホセンくんは7年生だ。
昨日木曜(5月11日)の夜10時ごろ、バエトゥル・モカロムの門で3人と話をしていた。そうするうちにも、たくさんの礼拝者がナマーズを終えてモスクから出てきた。一方さらに多くの人々が新しくやって来た。
もちろん、バイトゥル・ムカロムだけではない。ダカの他のモスクの様子も同じだった。信心深いムスリムたちは、アッラーの慈悲、そして、神の近くにいることを願って特別なナマーズを行い、コーランを読み、アッラーの名を唱えたり、説教を聞き、預言者ムハンマドの誕生を祝うなど様々な宗教行為を行い、宗教的で荘厳な雰囲気の中でショベボラトの夜を過ごした。早朝のナマーズを終えて家路についた。
ショベボラトにあたり、バエトゥル・モカロムモスクの入り口付近では警官が配備され、厳重な警戒態勢が取られた。各入り口には金属探知ゲートが設けられ、誰もがそれをくぐって中へ入らなくてはならない。
ナマーズのためにやってくる礼拝者でモスクはごったがえし、入場を待つ人の群れは外の階段にまで広がっていった。
市内のラムプラから来たIPS(電力機器)会勤務のモハンマド・ココンさんは、プロトム・アロ紙に対しこう語った。「数日前に父が亡くなったので、今夜は父の為に死後の幸せを祈りました。それからこれからの1年が良い年になるように、そのお祈りもしました」
同じく市内のプラナ・ポルトンからお祈りに来た民間企業のサラリーマン、モハンマド・ラナさんは「アッラーにたくさんのことをお願いしました。自分のこと、それから他の人のこと。アッラーが皆を幸せにしてくださいますように」と話した。
アラムバグから来た自営業のアブ・シッディクさんはこう語る。「わたしが犯した間違いを許してもらうよう、アッラーにお願いしました。それから商売がうまくいくようにとも祈りました」
皆がお祈りの為に行き来する中、ゲートでは警察官が監視をしていた。そのひとり、ムルシャリン・ホセンさんはノオガンエ出身だ。警備を続けながら、幼かったころのショベボラトのことを思い出していたという。
ショベボラトに際しバエトゥル・ムカロム国立モスクでは、バングラデシュとムスリム共同体の健康、平和、そして繁栄を願って祈りがささげられた。
バエトゥル・ムカロムだけでなく、ダカのあらゆるモスクで信心深いムスリムたちはナマーズを行った。
ナマーズをする以外にもこの日たくさんの人々が両親の墓参りをした。ダカ旧市街のドヤゴンジョで話を聞いたモハンマド・シャキルさんもそのひとりだった。
ショベボラトの夜にあちこちを歩いて回るのは、ダカ旧市街に住む人々の長く続く習わしだ。ただこれを行なうのは子どもや若者が中心だ。多くの人が歩いたり、またがバン(荷台付きの小型タクシー)に乗って方々を巡る。
昨日のショベボラトでは、朝から晩まで、ダカ旧市街のワリ、ナリンダ、ゲンダリア、シュトラプルなどの地区の道端で大きなパンを売っている光景が見られた。さまざまな形に作られているがどれも見た目が良い。なんと呼んでいるのか尋ねると、バンズだと言う人もいたし、ダッカの言葉ではこれをタッパと呼ぶのだと答えた人もいた。
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(翻訳者:福田一葉)
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